2006年5月5日〜6日 西丹沢 (単独)
檜洞丸・大室山・加入道山・畦ヶ丸 初めての避難小屋泊




1日目(5月5日)
箒沢公園橋(0810)-板小屋沢ノ頭(0955)-石棚山手前分岐(1100)-テシロノ頭先分岐(1154)
-ツツジ新道合流(1207)-檜洞丸(1226-1254)-熊笹ノ峰先分岐(1326)-犬越路避難小屋(1503)

2日目(5月6日)
犬越路避難小屋(0522)-大室山分岐(0657)-大室山(0705)-大室山分岐(0711)-加入道山(0824)
-白石峠(0843)-バン木ノ頭(0951)-モロクボ沢ノ頭(1019)-畦ヶ丸避難小屋(1045)-善六ノタワ(1140)
-権現山登り口(1242)-西丹沢自然教室(1318)



ゴールデンウィーク後半は、予定していた山行が諸事情により中止になったためぽっかりと空いた。
せっかく購入したシュラフが寂しそうにしているので、いつもの”とりあえず”ということで、大人数では計画できない避難小屋宿泊シリーズを計画。
第一弾は、今年新しくなたばかりの犬越路避難小屋にします。

まずは、今回のドジを3つ。

まずは、靴の中敷きを忘れました。
乾かすときに取り出したまま戻し忘れてしまったようです。
いつもより重い荷物を背負っているのに何と間抜けなことでしょう。
仕方がないので靴ひもを思いっきり締め付けて歩きました。
緩い靴というのは、フリーの状態では踵側がぴったりでつま先側に隙間がある状態です。従って登り勾配を歩いている分には問題がないのですが、下り勾配では着地した瞬間に靴の中で足が前にずれます。
何回も繰り返していると足の裏がジーンとしてきて痛みが出てきます。
そのため、檜洞丸からの下りには往生しましたし、2日目はほとんどが下りのため、最後にはびっこを引くような歩き方になってしまい、追い抜いて行く人々を恨めしそうに眺めていたのでした。

もう一つは、ダブルストックを持って行かなかったことです。
このため、足の痛さをカバーする非常時の補助手段も失っていたのでした。
いつもなら、使わなくても一応ザックの後にくくりつけていたのです。
しかし、このところずっと使わないで頑張って歩いていたし、歩くとき枝に引っかかって邪魔だし、今回は荷物も多いことだし、荷物リストからはずしたのでした。

3つめは帰りのバス時刻を確認しなかったことです。
西丹沢自然教室のバスは変則的で、13時に乗り遅れた私は、次の14時40分まで延々とバス停で待ち続けたのでした。

ということで、ヘロヘロになってコースタイムをしっかりとオーバーしたものの何とか無事下山したのでした。

では改めてご報告を。



5月5日。

新松田7時20分発の西丹沢自然教室行きのバスに乗るべく駅に到着しましたが、その直前に臨時便が増発されました。
玄倉には寄らないとのことで箒沢自然公園橋まで少し早めに到着。
準備運動をして出発します。

まずは板小屋沢に沿って登って行きます。
沢の中は踏み跡が無くなっていることが多いので、道標等を探しながら進みます。
途中から沢をはずれ尾根に取り付けます。
いきなりの急登。
荷物が重いのを忘れ、先行者を追い抜き颯爽と登って行きます。
で、結局板小屋沢ノ頭に着く前に、ヘロヘロ・・・
本来楽しいなだらかな尾根道である石棚尾根も少し歩いては休みまた少し歩きで、最悪のパターンとなってきました。
それでも、花はいっぱい。
おきまりのタチツボスミレにエイザンスミレ。
オトメスミレも群落を作っていました。
上を見上げればマメザクラが満開。
ミツバツツジもまだ鮮やかなピンクの花が残っています。

箒沢自然公園橋から
大石キャンプ場を望む



頂上手前のブナの大木
ようやく檜洞丸山頂に到着。
撮って貰った記念写真の顔色は悪く、目の周りに隈があります。
自分で顔色を見ていたら即刻下山だっただろうなあ。

景色は素晴らしい。
雲のトップの高さは1200m強というところでしょうか。
南から流れてきた雲は丹沢主稜で堰き止められ、神ノ川方面に溢れ出して行きます。

蛭ヶ岳方面

大室山方面
神ノ川側に雲が流れ落ちる






軽く昼食を摂った後、本日の宿泊地である犬越路避難小屋に向かいます。
熊笹ノ峰方面は痩せ尾根で鎖場も多く下るのに一苦労します。
この道は上りに使った方が安心のようです。
雲の中に入ると幾分涼しくなります。
ここでの花は、コイワザクラが丁度満開。
時折キクザイキイチゲも見受けられます。

雲の中を歩く
足の痛さをこらえようやく犬越路避難小屋に到着。
とりあえずは私一人でしたが、16時過ぎに一人男性が仲間入り。
17時頃に、ご年配の男性と(女子大生かなあ)きれいなおねいさん2人の3人グループが到着。
計5人の宿泊となりました。
犬越路避難小屋は、昨年末に解体新築され、窓はペアガラス、トイレもバイオ水洗式で清潔です。
シュラフもひとつ置いてありました。

避難小屋が見えてきた
  
新しい避難小屋は綺麗です  





5月6日

夜に屋根や窓を叩く雨粒の音。
4時に起きて確認したら、外は霧の中で、地面もうっすらと濡れている程度。
とりあえず問題はなさそうです。

霧の中の小屋
5時20分、予定通り大室山に向けて出発。
霧の中を進みます。
途中で雲の上に出ました。
ここで、シロバナタチツボスミレの群落を発見。
距まで白いからそう呼んで良いと思います。
今日も富士山が綺麗です。
大室山分岐にザックを置き大室山に向かいました。
大室山山頂はあまり見通しがききませんが、登山道をはずれ少し南に下りると見通しがきくようになります。
そこから眺めた雲が流れ落ちる様を、昨日蛭ヶ岳に泊まった人たちは、丹沢のナイヤガラ滝と呼んでいたそうです。

霧の中を進む

太陽も霧の向こう側

雲海の向こうの富士山


大室山山頂

おきまりの三角点

大室山から檜洞丸・蛭ヶ岳方面




大室山から加入道山方面




大室山から加入道山、畦ヶ丸への道は楽しい尾根歩きのはずなのですが、下るたびに足が痛くなり、なかなかスピードが上がりません。
ゆっくり歩くからでしょうか、鳥たちはよく見かけました。
初めて見るものも多かったのですが、いかんせん全くの素人で名前を特定することが出来ません。
また、バイケイソウとマルバタケブキ、ヤマトリカブトが新芽を伸ばしています。



途中に寄った加入道山避難小屋。
布団が2組ほど。薄暗いですが、綺麗に使ってあります。
出入り口の扉がきついのが難点かな。
     




もう一つ寄った畦ヶ丸の避難小屋は、暖炉があるんですね。
うまく燃えてくれれば良いですが、燻ってしまうといたたまれないだろうなあ。
室内が煤臭いのがこれを物語っているようです。
      



畦ヶ丸からの最後の下りは本当に辛かった。
あまりの足の裏の痛さに爪先立って下ります。
せっかく楽しみにしていた西沢の二つの滝もパス。
ようやくバス停に着いたら、13時のバスが出たばっかりで次のバスまで1時間半待ちとなりました。
待っている間に発泡酒を2本、残っていたブランデーを100mlほど飲み、すっかり酔っぱらってしまい、気持ちよく帰らせて頂きました。
ちなみに、バス停の自販機のビールは300円ですが、少し車道を上がったキャンプ場の受付では、ほぼ定価で売ってますのでこちらで購入した方がお得です。

ゴールの吊り橋!





ここで今回観察した主な花の紹介

コイワザクラ


マメザクラ

エイザンスミレ


シロバナタチツボスミレ

キクザキイチゲ


キクザキイチゲ 白花

ツルシロカネソウ


タチツボスミレ

ミヤマキケマン


ウツギ





避難小屋泊まりも楽しいですね。
こぢんまりとした中で楽しく過ごすことが出来ました。
荷物が多くなるのが難点ですが、これくらいの重さでへこたれている訳にはいかないのでしょうね。

さて今回の反省。

●靴の中敷きを忘れた。
 大事なことのひとつなのだから、無理せず引き返すべきだったか。
  
●ダブルストックを持って行かなかった。
 訓練のつもりで使わないのは勝手だが、非常時に備えてとりあえず持って行くべき。

●水が足りなかった。
 水場が無く、沢水が確保出来ないのが判っていたのだから、もう少し多く用意すべきだったか。
 あまりの喉の渇きに西沢の支流の水を直接呑んだが、木の腐ったような渋みがあり、 飲めなかった。
 煮沸すれば良かったのだろうが・・・

●ラジオを持って行かなかった。
 携帯電話が繋がらないところで、翌日の天気やニュースの情報を手に入れることが出来なかった。

●携帯電話が圏外で使えず、放置しておいたらバッテリーが切れてしまった。
 留守番電話設定にしておく。
 圏外の可能性がある場合は必要なときにだけ電源を入れてメールや留守電の確認をする。

反省も多い山行でしたが、それでも楽しい尾根歩きでした。