2006年9月17日 ナメラ沢 (みろく山の会)
なめ、なめ、なめそして急登!


駐車場06.00〜06.40入渓点07.00〜07.05ナメラ沢出会〜07.17最初の大滝〜07.27二俣を左へ〜07.40大ナメ〜07.5510m滝前前で休憩08.10〜08.52湧水場〜09.12二俣で休憩09.25〜09.45水涸点(休憩)09.48〜10.05着替え10.20〜10.55稜線(大休止)11.05〜11.25東破風山〜11.50(休憩)12.00〜12.12雁坂嶺12.20〜12.45雁坂峠12.50〜13.30井戸沢(休憩)13.40〜15.03駐車場



 今回はみろく山の会の会山行で笛吹川ナメラ沢に行きました。

 前日14時半にJR橋本駅集合。総員8名で出発します。中央高速道の渋滞情報を検討し相模湖インターから乗り勝沼インターで降りました。たわわに実ったブドウ畑を眺めながら北に向かい雁坂トンネル入口の駐車場に到着。早速テントを張って夕食とします。酒も少々(多々)入り21時就寝。

 17日は、3時前からシカの鳴き声で目を覚ます。甲高い声が気になって寝られない。昨日の酔いが残り頭痛に鬱々としながら4時半に起床。天気予報は、台風の影響により曇のち雨。降り出す前に下山できたらいいねと話しながら急いでテントを撤収し朝食を摂る。



駐車場(06.00)1200m

 6時出発。 駐車場脇にある神社に無事を祈願し、右側に続く作業道を登って行く。この道は、雁坂トンネルを掘った土砂を沢に埋めるために作ったものだそうです。確かに途中の沢が宅地造成でもしたかのように道路レベルでフラットになっており、排水路なども整備されています。しかし、その先に行くと整備が行き届いていない場所があり、端部の法面が既に水流で崩れており作業道まで達しようとしています。早く整備しないと通れなくなりそうです。

 さて、沓切沢橋から降りてナメラ沢に向かうと書いてある資料もあるそうですが、トンネル工事などの影響で状況が変わってしまっています。橋自体も架け替えられているようです。現在の橋から降りてしまうと、懸垂下降をした上にややこしい滝を登る必要が出てくるそうで、楽しいナメ歩きというわけにはいかないようです。現在は沓切橋を渡った作業道終点から登山道を10分ほど進んだ場所にナメラ沢への標識が取り付けられており、ここから久渡沢に降り、沢を少し戻ってナメリ沢に入るのがポピュラーのようです。



入渓点(07.00)1385m

 久渡沢にたどり着いたところで沢装備を身に付け、準備が出来たところで河原を下って行きます。100m程度下るとナメラ沢の出会いに到着。ちょっとだけ右にショートカットしてナメラ沢に入ります。

沢装備を身に付ける

ナメラ沢遡行開始



最初の滝(07.17)1402m

 100m程河原を登ると最初のナメ滝が現れます。ナメの滑りやすさを確認しつつ流れを楽しみながら登ります。

 その後も小さなナメが続きますが、出会いから250m程で最初の滝が現れます。右側の水の少ないところを登って行きます。その先の中ノ沢との二俣は左へ。


最初のナメ滝

最初の滝



B地点(07.40)1480m

 くねくねと曲がる水流の中を楽しく歩いて行くと目の前に大きなナメ滝が現れます。滑りやすいですが、少しでも起伏のある面を探ししっかり足の裏を密着させ、何とか登って行きます。




C地点(08.00)1536m

 更に進むと、緩いナメ滝があらわれます。左岸を見ると細い滝が落ちてきています。2段で高さ20mもあるでしょうか。



D地点(08.10)1580m

 更に200m程進むとまたナメ滝が現れます。ナメにもだんだん慣れて足元もしっかりしてきました。



E地点(08.35)1650m

 ここまで来ると水量が段々と減ってきますが、時折勾配の大きなナメ滝が出てきます。流れは細くなったり広くなったり、私たちを飽きさせることがありません。



湧水場(08.52)1720m

 遡るに従い段々と勾配がきつくなってゆきます。湧水場に到着して一服。楽しくのんびり遡ることが出来るのはここまでのようです。美味しい水をたっぷり頂き、行く手を見上げれば先の見えない急勾配が待っています。
 



F地点(09.23)1830m

 さて、ここからは沢登り。岩と倒木が折り重なる中を登って行きます。時折手元に咲く大文字草が唯一の慰めとなってくれました。



水枯点(09.45)1960m

 しばらく登ると水が枯れます。そこで一服。更に100m登って沢装備を解きます。この時点で、すっかり息が上がり苦しくなっていました。昨日の酒が抜けるどころか体中を駆けめぐり頭がくらくらしてきます。心臓の音が大きくしっかり聞こえてきています。でも、心拍数は140を超えていないんだよなあ。
 さあ、これからが大変。標高差300mの急勾配を登って行きます。周囲は鬱蒼とした森で苔がしっとりととても綺麗です。と言いたい所ですが、足が重く、一歩一歩持ち上げるのがやっとで、徐々にペースが落ちてきます。腹もグーグーと鳴ってきます。ついに、「もう駄目!」と宣言したら、「あと少しだから頑張れ!」!「止まっても上には登ってゆかない!!!」と励まされ、急登を獣のように四つん這いになりながらようやく稜線に到着したのでした。ということで、ここから先は、とても写真を撮る余裕はありませんでした。 



ナメラ沢源頭(10.55)2287m

 尾根道を少し歩いたピークで昼食とします。飲物もパンも胃に納まるので究極までバテている訳ではないようです。シャリバテか、単に根性がなかっただけでしょうか。周囲を見回す余裕が出て来ましたが、残念ながらすっかりガスに覆われています。


 ここから東破風山(2260m)、雁坂嶺(2289m)を通り雁坂峠に向かいます。すっかり疲れ切った足は、登りにさしかかるたびに痙攣の前兆でピクピクしてきます。ところが、メンバーから頂いた塩を飲んだところ不思議と納まり、その後は快調に進むことが出来ました。




雁坂峠(12.50)2082m

 雁坂峠に到着すると、なにやらゼッケンを付けた人たちが大勢通って行きます。甲府から熊谷まで141kmの24時間レースだそうです。老若男女とも素晴らしい筋肉を見せつけながら駆上り、駆下りて行きます。信じられない光景でした。その足元には可愛い黄色のイワインチンが花を咲かせていました。



井戸沢横断(13.30)1700m

 一服後、駐車場まで急坂を下って行きます。途中、井戸沢を渡るところで休憩したところ、トリカブトに混じりアズマレイジンソウが咲いていました。トリカブトより色が淡く上のとんがり帽子が長いです。名前の由来は,雅楽を演奏する官吏(伶人)がかぶる冠に似ているからだそうです。



 とっとこ下って15時に駐車場に到着。朝お参りした社に無事の到着をご報告します。と同時に、今まで待っていたかのように雨が激しく降ってきました。山の神様、今まで天気を保っていただいてありがとうございました。
 このあと、車で少し下り山梨市公営の「花かげの湯」(3時間500円)に入り、ほうとう鍋を頂き、おみやげのブドウを買って帰途につきました。
 帰りの中央高速は大渋滞。結局4時間かかって町田に到着しました。運転していただいた平林さん、野中さん、本当にありがとうございました。



 今回の山行で、また沢の楽しみを覚えてしまいました。滝登りも楽しいですが、ナメを歩く水遊びもまた楽しいですね。
 しかし、最後の詰めの急登を克服しないことには、これからが思いやられます。尾根歩きはダイエットになるが沢登りは距離が短くて運動にならないなどと思っていた私は大馬鹿でした。しっかり体力を付け、きちっと技術を身に付けて、安全で楽しい遡行が出来るようこれからもトレーニングを続け、いつかは皆を連れて行けるように頑張りましょう! それと、前日の深酒にも注意・・・

 今回リーダーを務めていただいた平林さん、本当にありがとうございました。運転も、さぞ大変だったことでしょう。代わることが出来なくて申し訳ありませんでした。
 サブリーダーの野中さん、トップをありがとうございました。バテてしまった私を見捨てないで下さいね。体力を付けてまた頑張りますから。
 そして、一緒に遡行していただいたメンバーの皆さん、どうもありがとうございました。今回は、会の中でも選りすぐりの個性的なメンバーで、とても楽しくとても勉強になりました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。