2007年6月30日 小川谷廊下 (みろく山の会)
丹沢随一の谷を楽しむ


 沢にある5m以上の滝にはF1,F2等の名称が付いていますが、紹介する記事によって番号が違うことが多いです。今回は、「丹沢の谷110ルート」を参考にして、最初のCS滝をF1、岩棚をF10、最後の滝をF12としました。
遡行図を掲載したいところですが、著作権の問題が心配で今回はナシです。



08.10駐車場08.40〜08.50中ノ沢出合〜08.59F0(2m)〜09.11F1CS〜09.40F2〜09.55F310.03〜10.07F4〜10.20休10.26〜10.30F5〜10.40F611.04〜11.05F7〜11.15大岩滑り台〜11.45F8〜12.00大コバ沢出合〜12.05F9〜12.08F10前大休止〜12.40F1012.50〜13.14F11〜13.41F12〜13.48遡行完了〜15.15駐車場



駐車場〜小川谷入り口

集合は相鉄線瀬谷駅6時過ぎ。自家用車で東名高速をつかって穴ノ平橋先の駐車スペースに到着したのが8時。沢装備を整え準備運動。林道を少し戻ったところから林の中に入って行く。河原までは険しい下りを残置ロープを頼りに降りて行く。出たところは、中ノ沢出合。これから向かう小川谷が木立の中に見え隠れしている。

駐車場で沢装備

河原まで急勾配を下る

中ノ沢出合の先に小川谷の入り口が見える


F0 2m

少し遡ると目の前に2mほどの滝。そのすぐ奧にF1CS。まずは2m滝で手慣らし足慣らし。右側を登る。

2m滝の先にF1が見える
F0は右側を登る


F1 5mCS

F1の左側はものすごい水量。先行者3名が一生懸命左側の水流と戦っているがなかなか登れそうにない。私達は、右側の隙間から登る。こちらも倒木を頼りに登ろうとするのだがつるつる滑って足掛かりにならない。仕方なく、右壁に打ち込んであるハンガーにスリングを取付け、鐙代わりにして右足を確保し安定したところで左足を倒木にかけ、ようやく登る。はじめから結構苦労させられる。

F1
スリングと倒木を頼りに登る


F1〜F2

その後の小滝も、大した高さもないのだが水の勢いが強く越えるのに苦労する。



F2 6m

F2は、水流の近くを登りたくて右側を登ろうとしたが手がかりが無く断念。右岸のクラック沿いに巻いた。それでも落ち口近くに降りるとき少し怖い。

F2は右側は登れなかった
左側のクラックを登る
F2を上から望む


F3 5段5m

暫くゴーロが続き再び狭くなったところでF3。ゴルジュ全体が滝になっている。5段5mと書かれているが高さはもっとありそう。左側を登り一旦滝から左に離れるが再び滝を渡り返し右側から登ってフィニッシュ。



F4 2段5m

F3を抜ければ再びゴーロ。中間にまた大岩。これがF4。
これも左側は登れない。右側の隙間を登る。

F3〜F4のゴーロ歩き
F4が見えてきた

F4は右側を登る

F4左側の流れ

F4右側を登る


F5 5m

更にゴーロが続くが、屈曲部に滝が現れる。F5だ。滝のすぐ左が階段状になっている。階段に従い素直に登る。

F4〜F5のゴーロ歩き
F5が見えてくる
F5は左を登る

階段状をを登る



この花は何でしょう?
   


F6 2段5m

ここからまたゴルジュとなる。奧に見えてきたのがF6。滝のすぐ右の壁にピトンが3箇所。それぞれスリングがぶら下がっている。二つ目と三つ目の間隔が広すぎる。2番目まではいけるのだがそのまま横に行って3番目を掴もうとすると届かず釜にドボン!少し上にへつればよいようだが私達には無理。あきらめて左岸を巻くことにする。ここも落ち口当たりで高度感がありかなり怖い。

F6に到着
右側のピトンは使いづらい
巻き道も怖い


F7 10m

先を見ればすぐ目の前にF7。水流がものすごい勢いで飛び出してきている。皆は左側を登ったが、私は滝の裏側をくぐって(これがやってみたかった!)左岸を巻いた。

F7は滝の裏側を通った
左岸滝くぐり組と右岸巻き組


大岩滑り台

河原は少し広くなってきたが行く手は行き止まりだ。と思って進むと大きく右にカーブしており、そこには、かの有名な大岩滑り台が鎮座している。昔は勢いを付けて駆け上がったと言うことだが、どう考えても助走するスペースなど無い。左端に残置してあるロープを掴んで力任せに登る。左に下り勾配がついているので、足元をしっかり確保しないと左に振られ、隣の大岩との間に挟まってしまう。1歩目の右足を倒木の上へ。2歩目の左足を岩の出来るだけ高い場所に確保して踏ん張り左に振られるのを防ぎ、3歩目の右足を大岩の水平な部分にかけられれば登攀成功。あとは、滑らないように注意すればスイスイ登れる。




F8 7m

大岩を過ぎるとゴルジュの中を小滝ナメ滝を楽しみながら遡って行く。暫く行くと大きくクランクした滝が現れる。F8だ。ものすごい水量。水流の中を突っ張りながら登って行く。シャワークライミングは気持ちよいと言うより冷たく感じるようになってきた。

ナメを楽しむ
F8を登る

小滝を登る

F8が見えてくる


大コバ沢出合

更に進むと左側から見事な滝が落ちている。大コバ沢出合の滝だ。大きく広がった滝はとても見事。しかし、私達はその横を通り抜けなければならない。深そうな釜に気をつけながら体中に水しぶきを浴びて左岸をへつる。

大コバ沢出合
大コバ沢出合に向かう
水しぶきでずぶ濡れ


F9 7m

ようやくクリアすると、滝はもういいやという気にもなってくる。次に見えたF9樋状は何も考えずに右岸を巻く。

先にF9が見えてくる
F9は右岸を巻く


F10岩棚 2段20m

とはいったものの、大本命はこれからでした。目の前に現れたのは本日の核心、F10岩棚。先行パーティーが固定ザイルで登っている間に昼食を摂る。そして記念撮影。いつの間にか雲行きが怪しくなり雨が降ってきていた。見ている間に滝の色が茶色に変わってくる。これは早めに切り上げる必要があるかななどと話ながらいよいよF10にとりかかる。滝芯は登れない。右岸の石塔を固定ロープで登る。思ったよりすんなりといったが、滝口に降りるのはいつでも怖い。

岩棚全景
皆で記念撮影


F10〜F11

ここからしばらくはゴルジュの中を小滝を楽しみながら散歩気分。既にびしょびしょなので雨など気にならない。雨もそんなにひどくなさそうだ。


F11 5m

そうしているうちにF11に到着。大岩の右側に本流があるが釜が深くて渡れない。左側を登る。スタンスがたくさんあるようだが意外と滑る。ということで、お約束通り私が落ちた。一応ちょん掛けでビレイしてもらっていましたが、両足を一歩ずつ岩にかけただけで足を滑らせ釜の中にドボーーン。深かった・・・
他のみんなは無事に登りきった。

釜の深いF11
左の階段状を登りはじめて
すぐに右の釜の中にドボーーン!


F11〜F12

ここからは広いゴーロ。またまた小滝が沢山。楽しんで登って行く。



F12 5m樋状

さて、最後のゴルジュの奧にF12が控えている。これも登れないので右岸を巻く。その上は小さい広場。今まで来し方を眺めると格別なものがある。右側を見れば洞窟の出口のように光が差し込んでいる。これが壊れた堰堤と呼ばれているものだろうか。今までの夢の国から明るい未来への出口のような気がして神聖な気分になる。

F12が見えてくる
F12樋状

上手を見れば光が差し込んでくる
F12の上から来し方を振り返る


遡行完了

このトンネルを潜ると、大きな河原。ここで、小川谷廊下の遡行は完了。皆さんご苦労様でした。

ついにゴルジュを突破
河原に到着し皆で無事を喜ぶ



ただし、ここで安心してはいけない。ここから、駐車場までの道程はザレた不安定な山道が続く。ひとたび足を滑らせれば谷底まで滑落。無理せず、余りひどくザレているところは高巻きして最後まで安全に下山するよう気をつける必要がある。
駐車場到着は15時過ぎ。予定よりもずいぶん早く到着できたので、山北駅そばの温泉に寄って本日の疲れを癒したのでした。