2007年10月28日
二本杉峠〜地蔵平
昔の仕事道を歩く



0710谷峨駅=0725細川橋(上ノ原登山口)0745〜0844二本杉峠0850〜0903(滑落)0915〜1010休1020〜1030地蔵平1043〜1101大滝沢橋〜1141休1145〜1220大滝峠〜1226休1257〜1330一軒家避難小屋1335〜1424大滝橋



今日はみろく山の会の会山行で昔の仕事道を歩く。
今は移転して誰もいなくなった地蔵平から中川温泉方面に行くための道だ。
当日は、台風一過の良い天気。途中の駅からは富士山が雪を被ってくっきりと見えていた。

メンバーは総勢13名と大所帯。谷峨駅集合でタクシーで細川橋まで。少し上がり、神社への階段前で準備運動。二本杉峠までは、普通の登山道。多少きつい勾配はあるが楽しく歩く。風がない上に気温も上がってきて暑い。辿り着いた二本杉峠には御嶽大権現の石塔。

二本杉峠の石塔

ここから昔の仕事道にはいる。志願して私が先頭を歩く。既に誰も使わなくなった道は微かに踏み跡が残るだけ。尾根筋はよいのだが、谷筋になると既に道は削り取られてザレた斜面があるのみ。最初の何カ所はそれでも足掛かりがあったので何とかなったが、どうしても渡れそうにないところに出くわした。後ろを振り返るとそこを歩くという。万が一を考えザレの下を見ると10mくらいい下で勾配が緩くなり何とか止まりそうな場所がある。

覚悟を決めて足を踏み入れたが、3歩目位で足元が崩れる。片手で目の前の岩にしがみつき、もう一方の手で斜面を掴む。片足ずつ斜面に蹴り込んでみるが、腐葉土の下のぬっぺらとした岩には引っかかりが見つからない。

後続の二人が何とか引き上げげようとしてくれたが、動けば動くほどずり落ち、二人を道連れにして5m程ゆっくりと滑落。そこで何とか踏みとどまる。気を落ち着けて再度手足を一つずつ動かして引っかかりを確保する。

上からフィックスロープを下げてもらい、たぐりながら登って元の場所に戻る。あぶない、あぶない、気をつけないと。結局他のメンバーは高巻きで通過することが出来た。


微かな踏み跡をたどる


こんな岩場もある


岩肌にはイワシャジンがいっぱい

更に進んで地蔵平に到着。この広い原っぱのあたりに集落があったのか。今残っているのはお社の中のお地蔵さまだけ。お地蔵さまは新しい着物を召されており、今でも信仰が厚いことを伺わせている。


地蔵平の原っぱ

小休止の後、セギノ沢に向かう。林道は法面が崩れ、橋の架かっていない小川もあるので渡渉する。車両の通行は不可能。その先には立派なコンクリート製の大滝沢橋が空しく架かっている。

橋手前から沢に入って行く。今回は沢登りではないので登山靴のまま進む。沢靴と違って滑りやすいので注意が必要。先程の渡渉でドボンと流れに尻餅をついた人がいたので、皆慎重に歩く。最初の堰堤は左から上る。その先の唯一大きい滝はその上の堰堤ごと右側から巻いて越える。

ずっと本流を進むが、870mの二俣で右側の支流にはいる。すぐに三俣が現れるので中央のザレぎみの沢を進む。そのまま突き上げると950mで囲まれたピークに辿り着くのだが、途中から左側にある踏み跡をほぼ水平に戻りぎみに登り深いヤブを突破すると大滝峠に出た。

このあと、尾根を南に進み、986mピーク・屏風岩山に向かう途中のピークから東に逸れてすぐ先の小さいコブで昼食。


セキノ沢に入る


唯一の滝


滝を右から高巻く


穏やかな渓相


三俣は中央を行く


大滝峠手前のヤブ


尾根道を南へ進む


昼食をとったピークから
権現山を望む



このピークからは、今登ってきた北西に伸びる尾根、南東に延びた尾根、ブルーシートに覆われた材料がおいてある北に延びた尾根の3本が見える。しかし、実は目の前の低木に隠されてもう一本東に延びる尾根がある。この東に延びた尾根が今回の正解!

この尾根を下り、途中から現れた森林巡視道を下る。右下は地獄棚沢左俣。遠くから滝の音が響いてくる。

左から入ってくる3m程の滝を持った枝沢を越えると、810m付近で地獄棚沢右俣を横断する。巡視道をはさんで左上流目の前に4m程の滝、右下流に8mほどの滝。一旦右俣の沢床に下りるが登り返し道がない。細い踏み跡を登ろうとすると後から声がかかり数m下ると梯子が架かっているはずだとのこと。その通りで、半分腐りかかった木梯子を登って再び巡視道に乗る。更に進んで一軒家避難小屋に到着。


小沢を渡る


枝沢上部の滝


右俣下部の滝

鬼石沢、マスキ嵐沢を左に見ながら大滝沢に沿って登山道を下る。大滝橋に着いたのが14時半。タクシーを待つ間に車道を下る。途中でタクシーと合流、下北駅に向かう。皆は、駅前の町営温泉に行くのだが、私は滑落でズボンが泥だらけなのであきらめ真っ直ぐ自宅に帰ったのでした。


今回は、確信犯とはいえ、滑落という一つ間違えば命にかかわる事故を起こしてしまい反省しています。
無理だと思ったら無理しない。危ないと思ったら誰が何と言おうと自分の判断で回り道する。
そういう意志を持ってゆかなければならないとつくづく思いました。
これからも安全登山で楽しみたいと思います。


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第184号)