2008年2月23日
大山〜大ノ沢左岸尾根〜赤松尾根
名残の雪を楽しむ

  

0650蓑毛0654〜0742蓑毛越〜082716丁目〜0855ヤビツ峠分岐〜0907大山0910〜1001ネクタイ尾根分岐〜1012大ノ沢右岸尾根分岐〜1031右支尾根分岐〜1056唐沢川〜1125唐沢峠1145〜1207(893m)〜1212(アイゼン装着)1217〜1237(778m)〜1247大沢分岐〜1300東屋1305〜1323見晴広場A(674m)〜1330見晴広場B〜1342上弁天〜1407支尾根に入ってしまう〜1418沢に入る〜仕事道〜1432林道〜1440弁天岩〜1453広沢寺バス停

この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第184号)


いつも山に行く場合には、コースの予定を決めて所属山岳会と自宅に報告してから行くので、滅多にコースを外れて歩くことはしない。それでも、体力と装備が伴わない場合には途中で引き返したり予定コースを変更することもある。
このところ2回連続で途中敗退となっているので、今回は間違いなく歩き通せるコースを選んで挑戦することにした。蓑毛から蓑毛越を通って大山に登り北尾根経由で唐沢峠に向かい、前々回敗退した大沢峠と大山を結ぶ稜線を歩くコースだ。

前日電話したところ、ヤビツ峠行きのバスは蓑毛までの運行となっている。それならばともう少し早いバスに乗ることにする。自宅を朝一番に出ても、秦野から蓑毛への一番バスには間に合わない。6時40分発の2番バスに乗り蓑毛着6時50分。一緒のバスに乗った人たちは、ヤビツ峠方面に登るようだ。

皆より少し遅れて出発。鱒釣り場の先を右に折れる。ハナネコノメの場所は、ようやく新しい葉がすうまい伸び始めたところ。咲くのは例年通り3月下旬だろう。さらに登り林道を横切ったところで今年初めてのミツマタの花。
さらに進み蓑毛越に到着。ここまでは雪はなく、少しがっかり。お地蔵さんを過ぎたあたりから道に雪が着き始める。壺足を拾って歩くのだが、私の体重を支えきれずさらにズボッと沈んでしまう。情けない・・・


蓑毛を出発


林道脇にはもうミツマタの花が咲いている


蓑毛越に到着
雪はない

いつものお地蔵様

16丁目で下社からの登山道に合流する。路面は踏み固められ氷結して滑りやすい。
富士見台からは三ノ塔がしっかり見える。その奥の富士山は霞んでいる。
何とか山頂に達したが、奥の院はシャッターが下りている。裏のトイレも凍っていて使用禁止になっていた。


27丁目から雪が着き始める


富士見台からの眺め


山頂直下では
登山道整備中


山頂の奥の院

さて、問題のシカ柵を見に行く。アンテナ塔の左から北尾根を下る。10mも下るとシカ柵に突き当たる。左側に赤テープがついているので誘われるようにシカ柵に沿って進む。水平トラバースの後、カンスコロバシ沢からの金比羅尾根登山道に沿って奥の院下の鳥居脇まで登る。ここにスライド式の潜り戸がついていた。シカ柵はその先登山道方面にトラバースしていっているようだ。ここでシカ柵をクリアできると納得し、柵の下側に入って柵沿いに北尾根の登山道あたりにたどり着くと、目の前にアルミ脚立があった。今週取り付けたのだろう。従って、鳥居の脇から柵をくぐって下に回らなくとも、アンテナ塔脇から下りて、突き当たりをシカ柵沿いに「右」にトラバースすれば柵を乗り越えられることがわかった。どなたか次に行かれる方に標識をお願いしたいところだ。

さて、北尾根を下る。すぐ目の前の樹にセーターが掛かっている。ネットで知り合ったkazさんが先週ロストしたものに間違いない。リュックにしまいさらに進む。


展望地からの眺め

シカ柵にぶつかる
右に進むとアルミ脚立あり


セーター発見


北尾根は気持ちよい
すぐ脇をモノレール

さらに進むと、左後方から噂のモノレールの軌道が登ってきている。少し先にエンジンの音。ちょうど下から登ってきたようだ。ネクタイ尾根の分岐まで行くと、モノレールが止まって作業中の方が数人。これから使うであろうレールを移動していた。話を聞くと、崩壊地の補修のため、まだ更に延長するようだ。ネクタイ尾根の方にも伸びているので聞いたところ、この先30mほどで終わりだそうだ。ちょうどYの字型(ネクタイ尾根がYの下側)を形成している。

つまり、モノレールは諸戸山林事務所から金比羅尾根に沿って登り、大山の頂上直下西側をトラバースし、北尾根に沿って進む。ネクタイ尾根まで進むとその先は急勾配の下り。そのままモノレールが進むと運転者が前に転落する恐れもあるし荷崩れの際は運転者に危害が及ぶ。そのためネクタイ尾根でスイッチバックし、その先の下りはバックで下りるということなのだろう。工事の方はその先の急坂の刈払いをしているところだった。軌道はもう少し伸びてゆくということだったので、実際の崩壊地補修工事を行う場所は、西沢ノ頭手前のあたりだろうか。


ネクタイ尾根でモノレール本体と出会う
この先は急下降なのでここでスイッチバックをする


大ノ沢右岸尾根への分岐


右岸尾根側にはkazさんの足跡のみ

西沢ノ頭を振り返る

もう少し先右側に、大ノ沢右岸尾根の分岐。足跡は3人分。kazさんが、セーターを探しに戻り、あきらめて先に進んだというところか。早速尾根を下る。広い尾根はどこでも歩ける。唯一の足跡を避けながら新しい足跡を刻んでゆく。蹴った雪が斜面を転がり雪の玉を作る。途中の尾根の分岐をkazさんと同様、右に行くつもりで進んでいたが、いつの間にか足跡がシカの足跡に変わっている。しまったと思い、右を振り返るとやせ気味の尾根が右にある。GPSを確認するとちょうど分岐点だ。あわてて戻る。すぐにkazさんの足跡を発見。kazさんも、一旦左に行こうとして戻ったようだ。理由は唐沢川に下りてよく解った。

このやせ尾根は結構急で怖かった。前の足跡を追うのだが、体重差が歴然と出てくる。踏み跡を壊した上に滑り落ちては尻餅をつく。ピッケルが大活躍してしまった。


膝上での雪を蹴散らし下ってゆく

右側の尾根を下る
急なやせ尾根で何度も滑る


蹴散らす雪が玉になって転がる

この脚立は超えず柵に沿って右に下る

唐沢川は一面の雪で、ゴロ石が隠れとても歩きづらい。河原歩きを始めたが雪に隠れた岩の隙間に足が落ち込み早々に法尻に逃げる。これではいくら時間があっても足りない。やはり右側の尾根を下りて正解だった。3つめの堰堤手前を左に登り唐沢峠への登り道に到着。北尾根からここまで、kazさんの踏み跡だけだった。堰堤の先には、ネクタイ尾根に伸びる踏み跡がしっかり。川をさかのぼる踏み跡も微かについていた。石尊沢右岸尾根に向かっているのだろうか。


唐沢川下流をみる


唐沢川上流をみる


ネクタイ尾根手前の堰堤


ネクタイ尾根方面に濃い踏み跡
沢上流に向かう足跡もあった


唐沢峠の様子


鎖を飲み込んだ幹


893m分岐

893m分岐の標識

唐沢峠に到着し昼食。雪は意外と少ないと思ったが、大山方面に進むとやはりそれなりの量がある。踏み固められているが私の体重はそれを踏み抜いてしまう。やせなくっちゃ・・・

893mのピークから東に向かう。かなりの人数が歩いている。勾配がきついので滑りやすい。危険を感じ途中でアイゼンを装着。それからは安心して下りることができた。大沢分岐から左に向かい赤松尾根のジャンクションを下る。東屋手前のガレやせ尾根を下ろうと思ったら下から14人の団体さんが登ってくる。足を滑らせながら大変そう。この先大沢分岐から梅の木尾根に進むそうだ。きっと二ノ沢ノ頭までの凍り付いたやせ尾根でもう一度肝を冷やすことになるのだろう。


大沢分岐


梅の木尾根側をみる


赤松尾根へのジョイントのやせ尾根
下から14人の団体が上ってくる

東屋でアイゼンを外し赤松尾根に入る。右に梅の木尾根と日向山、左に矢太郎川を眺めながら進む。とても気持ちよい尾根だ。目の前に脚立が見えれば上弁天。今回はここを左に進む。

尾根の両側のシカ柵に囲まれながら下る。見晴は最高。途中左側から植林地があがってくる。尾根筋が藪なので尾根を外れて脇を歩くのだが、ついつい仕事道に引き込まれ下りすぎてしまう。そのたびに茂みをかき分け尾根を確認する。そのうちシカ柵がなくなり尾根全体が鬱そうとした植林地になる。目の前が急に落ち込み、その先になだらかな尾根が見える。その尾根を進むのだと思い急な崖を樹につかまりながら下る。


赤松尾根から梅の木尾根を見上げる


梅の木尾根から左端に日向山

674mから矢太郎川と鐘ヶ嶽をみる

上弁天は今回は左にゆく


シカ柵の間を進む


気持ちのよい尾根
何とか下りきりその尾根を進むと、左側にもっと立派な尾根があるではないか。私が通っている尾根との間はだんだんとえぐれ沢を形成してくる。間違って支尾根を下りてしまったのだ。戻ろうかとも思ったが、標高的にもかなり下っていることもありそのまま下りてみる。左右から沢が迫りついに尾根が消える。沢床に立つと何とか下れそうな気配。

足下を確認しながら慎重に下ってゆく。しかし、やっぱり堰堤が現れる。右岸を巻き下る。あちこちに洞穴のようなものがあり、熊の巣のような気がして恐ろしくなる。ひたすら大きな声を出す。そのうち何となく人が歩いたような気配が見えてくる。使われなくなってから相当経た丸木橋や石積みの仕事道跡も出てくる。炭焼き窯跡もみることができた。大沢川に近づき水道管が見えたのでそれに従い下ってゆくと民家の裏に出てようやく不安から解放されることができた。


誤ってこの急坂を下りたため支尾根に入ってしまう


両側から沢が迫り仕方なく沢に下りる

沢の様子
かすかに仕事道が見える


役に立たない丸木橋


仕事道の名残


炭焼窯の跡

水道管が見えてきた


何とか大沢川脇にたどり着く

このあとは先週行った弁天岩によってみたが、友人たちは既に帰ってしまったあとだった。何とか間に合った15時10分発の広沢寺温泉発のバスに乗って本厚木まで寝て帰った。

今回は、前回の敗退の反省から、バリエーションルートはすべて下りにしたので、膝上までの積雪を満喫しました。しかし、ついにやってしまいましたの道間違いのあげく沢下りをしてしまったのが反省点ですね。標高が下がっていたから何とかなったものの一つ間違えば事故につながるので、次回からは引き返す勇気を持つようにしましょう。