2008年3月1日
地獄沢左岸尾根〜南大山沢右岸尾根?
モノレールをたどる



この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第184号)


秦野駅0635−0653蓑毛0657〜0758ヤビツ峠〜0832門戸口〜0845諸戸山林事務所0850〜0906地獄沢林道モノレール始点〜0957休(800m)1003〜1008新多摩線14号鉄塔〜1034(1021m)〜1112北尾根〜1127大山頂上1137〜1147鞍部(シカ柵終わり)〜1150大山の肩〜1154電柱広場〜1215アイゼン装着1220〜1225南大山沢二俣〜1237唐沢尾根(アイゼン脱)〜1255唐沢峠1300〜1326不動尻〜1417弁天岩1428〜1445広沢寺温泉バス停1510−1600本厚木駅



前回、大山北尾根を歩いたときに確認した崩壊地補修のためのモノレール軌道が、金比羅尾根(諸戸尾根とも言う)から登ってくると書いたが、M−Kさんが「俺の山紀行」のページで書かれている地図を見させていただいたところ、カンスコロバシ沢右岸の1021mピークを通っているようだ。
嘘つきはいけないと思い、確認しに行くことにした。

実は、その後「俺の山紀行」のM−Kさんが掲示板への書き込みで教えてくださった、S−OKさんの「ようこそ!山へ!!」ページとkittakaさんの「静かな山」ページを確認すれば予想がついたはずだったのだが、チェックが足らず、とりあえず諸戸山林事務所から登ってみようと考えた。また、それだけではおもしろくないので、大山に到達した後、石尊沢右岸尾根を通って唐沢峠に抜け、峠のすぐ脇から不動尻に抜ける道を通ってみようと計画した。



秦野からの2番バスで蓑毛に向かう。本日蓑毛下車は私も含め60代の方と20代の方の計3名。3人ともヤビツ峠に向かう。途中で若い方とお話ししたら塔ノ岳から大倉に抜けるそうだ。

途中で遠くから人の話し声、と思ったが実はチェーンソーの音。何度聞いても人の声に聞こえて不思議。檜植林の枝打ちをしておられた。細い棒状の梯子で器用に作業をなさっている。

ヤビツ峠近くなると道がガレっぽくなる。昔、家族連れがハイキングに来て子供が転落死してからつけられたという柵も一部崩壊している。峠への道も直前で崩壊して通行止め。以前は細かったヤビツ小屋への近道が峠へのメインルートとなっていた。ヤビツ小屋は開いているのを見たことがない。しかし裏手のトイレは使用できるようだ。ヤビツ峠に到着するとトイレは凍結のため使用禁止。だからすぐ上のヤビツ小屋のトイレが使えるようになっていたんだな。


先週に続き蓑毛を出発


猿ではありません
枝打ち作業の最中です
ご苦労様です


ヤビツ峠に出る道は崩壊のため通行止め
ヤビツ小屋経由で峠に行きます
ちなみに、ヤビツ峠のトイレは凍結のため使用禁止
ヤビツ小屋のトイレを使ってください

ここで、先ほどから前後しながら歩いていた若者と別れ門戸口への経路に入る。橋が老朽化しているため通行止めとの表示がある。さて、どこの橋のことだろう。黄テープの脇の柵を乗り越え雪に埋もれた階段を下りてゆくと、先ほどの若者がのぞき込んでいる。ここから塔ノ岳へは行けないので舗装道路を右に行ってくださいと説明し別れる。

先行者の足跡が2人分くらいある。この経路は沢の脇に本来の道があるのだろうが、雪に埋もれて解らないのでひたすら沢の雪の中を突っ切る。そのうちピンクのテープも現れ何となく経路が見えてくる。いよいよ青山荘近くなってその老朽化した橋というのが現れた。たしかに私が乗ったら真っ二つに折れてしまいそう。ここはすぐ脇を昇降して通過できた。「気まぐれ喫茶」は名前の通り気まぐれでお休みのようだ。


門戸口への登山道は橋が老朽化のため通行止め

ってどこの橋のこと?


沢をたどる登山道
雪がしっかり詰まっています


橋が腐っているのは、青山荘の裏の木橋でした。
脇を通り抜けられました


きれいな奥様が経営なさっている「気まぐれ喫茶」
気まぐれのため本日休業でした

ここからは舗装された林道歩き。右側では何カ所かで工事中。堰堤工事が一カ所。あとは伐採のようだ。掲示されている許可標を見てびっくり。申請者つまり持ち主は三重県に住んでいる諸戸さん。施工者は諸戸林業さん。北尾根の西面は諸戸さんの所有地だったんだ。

諸戸山林事務所に到着すると、ちょうど事務所から出てこられた方がいらっしゃったのでモノレールの件をお伺いしたところ、ここからではなく地獄沢の林道から出発しているとのことだった。それではと、諸戸神社にお参りした後再び舗装道路を歩いて地獄沢に向かう。


諸戸までの間は、樹木の伐採や堰堤工事で大騒ぎになっています


諸戸で諸戸林業が伐採工事中
申請者は諸戸さん。住所は三重県桑名市でした
つまり、この山の持ち主は、三重県に住んでいる諸戸さんということでしょう


諸戸山林事務所に到着し、ちょうどいらっしゃった方にお伺いしたところ、モノレールはここからではなく地獄沢から出ているとのこと


それではと、諸戸神社にお参りして、再び林道を歩く

地獄沢が近づいたところで尾根側を見上げると、モノレールが停まっているではないか。斜面を登って詰め所に向かう。5人の方が段取り中だった。モノレール軌道は林道に沿って少し進むと尾根の側面を登り尾根の背に到達するとそのまま尾根沿いに登ってゆく。結構な急登だ。軌道に沿って登ってゆくが斜面を登り切れずジグザグに進まなければならない場所もある。時々軌道を掴んでしまうA0グレードだ。

700m付近で、準備ができて登ってきたモノレールを見送る。その先から雪がつき始める。


ついに見つけました。モノレールの始点。地獄沢橋から分岐する林道の途中でした


ただいま出発の準備中



林道から延びた軌道は右に曲がり尾根に沿って延びてゆく


どんどん伸びる


まっすぐ伸びる


700m地点で追い越されました


行ってらっしゃい!


700mを過ぎると雪がついてくる

800mで一旦平坦になったところで休憩。ブナの大木が見事で気持ちが落ち着く。

更に進むと鉄塔が見えてくる。新多摩線14号鉄塔だ。軌道は鉄塔の右側を巻いて進む。更に進むとすれ違い用の軌道が敷設されている。分岐部は手動交換式。

軌道は、1021mのピークの手前を巻き、南東から東に方向転換する。ここから尾根がやせてくるがその真ん中を突っ切って進む。仕方なく足場を求めて右に左にと軌道を跨ぎ超す。北尾根に近づいたところで、今度は大きく北にカーブ。先週見た場所へつながった。


800m地点の緩やかな尾根で休憩
ブナの大木を見てほっとする


奥に鉄塔が見えてきた


軌道は鉄塔の右を巻く


鉄塔を見上げる


新多摩線14号鉄塔


軌道のすれ違い線

軌道の分岐部


軌道は1021mの左を巻く


正面が1021m
傘は気がつかなかった・・・

1021mの先から諸戸尾根を見る
雪がいっぱいついている


尾根がやせてくる
そこを軌道が突き抜ける


軌道はやせ尾根を進む


もうすぐ北尾根
尾根に沿うように左に曲がってゆく


北尾根に到着


今登ってきた尾根を振り返る


北尾根は未だ膝までの積雪

軌道の行く先を確認してから北尾根を登り大山山頂へ。今日の山頂は大賑わい。30人ほどが昼食中。私もパンとコーヒーで昼食。そそくさと見晴台方面に下る。直下の急登を下りると左右に新しいシカ柵が道に並行して出来ている。工事中のところもあり、作業員の方が食事中だった。声をかけたが返事はいただけなかった。シカ柵は大山の肩手前の鞍部で90度曲がってそれぞれ下に向かっていった。


二ノ塔、三ノ塔を見る


大山山頂奥の院に到着


見晴台方面に下る。
北尾根のシカ柵が伸びてきている
南側からも延びてきているため両側から挟まれている


両側のシカ柵は、大山の肩手前まで伸びてきてそれぞれ尾根と直交して下っていった。

大山山頂から眺めた北東側 手前に大山三峰 奥に高取山〜仏果山

 
さて、大山の肩に到着。ここから道を外れて石尊沢右岸尾根に向かう。踏み跡が2人分ほどついている。尾根を下り始めると大山への送電線を支える電柱が立っている広場に出た。ここから北尾根が一望できる。眺望を楽しんだあと、更に下ってゆく。GPSにデータは入れてきたのだが踏み跡があるので安心して進む。途中から勾配がきつくなり足を滑らす。これ以上は危ないと判断しアイゼンをつける。そのうち尾根が終わり沢の二俣にたどり着く。しかし、何か変。石尊沢右岸尾根を下りてきたのであれば、下流側正面に大きな河原と堰堤があるはず。しかし、ここは下流側・上流側とも沢幅が細い上に倒木が詰まっている。やってしまった、道間違いだ。GPSで緯度経度を確認し、この位置が2週間前にkazさんが通った南大山沢右岸尾根であると確認した。ということは、私がたどった踏み跡はkazさんのものだったのだろう。


大山の肩から石尊沢右岸尾根に進む(はずだった)
電柱の広場から見た大山北尾根


それでも楽しい尾根下り

左側が開けた時に撮影したもの
一番奥が北尾根。
その手前が石尊沢右岸尾根なんだろう。
このときはルートを間違えたことを全然気がつかなかった。




尾根が終わり沢に到着。
この時点で異常に気づく。
両側の沢は細すぎるし、目の前に現れるはずの堰堤がない。
これは、左俣


これが下りてきた尾根

そしてこれが右俣。
石尊沢じゃない・・・



唐沢峠から、不動尻に下り、弁天岩に寄り道した後、広沢寺温泉発のバスに乗る。

場所が解れば、あとは、右側の尾根を無理矢理登り唐沢峠への尾根道に出る。ここでアイゼンを外す。ここからから唐沢峠までは知った道。雪が凍結して滑りやすい場所もあるが気をつけて歩く。

唐沢峠からは、すぐ東側にある通行止めのロープをまたいで仕事道を進む。ここから不動尻までは仕事道やブル道が入り乱れて解りづらいがロープ等で規制してあるので間違うことはない。

不動尻に下りると、右側から沢が流れ込んでいる。この沢の先に不動滝があるのだ。白滝もあるはずだ。蛭が出る前には行けそうもないので、今年の秋にでも行ってみよう。
ここから先は、ひたすら舗装道路を歩く。靴底の堅い登山靴で歩くのはつらい。ただただ歩き、弁天岩によってからバス停に到着。15時10分の広沢寺温泉発のバスに間に合った。一番後ろの座席でたっぷり睡眠をとりながら本厚木に向かったのでした。
今回もまた道間違いをしてしまいました。事前に尾根の分岐が多いのがわかっていたのでGPSも細かくポイントを録っていたのに踏み跡を見た途端にすっかり頭から抜けてしまった。まあ、踏み跡があるのだから通れるのは解るが、それにしても・・・

これで、この冬の東丹沢探訪は終わり。あとは、赤軍(蛭)が撤退するまで西丹沢・北丹沢を楽しみましょう。