2008年6月8日
マスキ嵐沢
久しぶりのシャワークライムとバリエーションの下山路

 

この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平19総使、第184号)


奥箒沢山の家0645〜0720大滝橋0725〜0755マスキ嵐沢入渓0820〜0900F3〜0925F4〜0930F5〜1005二俣(休)1010〜1030F7〜1110(休)1135〜1145稜線〜1158権現山〜1250(735m三等三角点)〜1257林道出合〜1320大滝沢〜1330大滝橋バス停1407



今回は、みろく山の会の沢合宿に参加した。
前日に奥箒沢山の家に泊まって親睦会を開き、翌日数班に分かれて河内川や玄倉川の沢を遡る。私は、「デート沢」と呼ばれて気楽に楽しめると言われているマスキ嵐沢に参加することにした。

前日は控えめに楽しんで21時就寝。ゆっくり寝ようと思ったが結局4時に起床。一番近いところなので8時に出発しようなどと前日は話していたが、朝食もさっさと食べ終わり6時過ぎには皆準備完了。7時前に出発することとなった。

途中話に聞いていた箒杉を拝観。樹齢二千年を超える巨樹は立派で、そこにあるだけで威厳と神聖さを感じる。


前夜の懇親会風景


箒杉は樹齢2000年

大滝橋から林道にはいる。大滝を左に見下ろしながら進み、路が大きく左の尾根を越える手前から渓装を整え入渓する。
ゴーロを少し登るとナメ状になり最初の3m滝。最初の滝はいつも新鮮で感激する。

ナメ状を進み時折小滝を登る。大きく左にクランクしたF1らしき段差は少し岩登りの雰囲気。登ってみると直上にピンが打ってある。いざとなればビレイできるということだ。
F2は釜を持った樋状だが簡単にに登れる。


マスキ嵐沢入渓点


最初の3m滝


ナメ状を行く


4mの滝


これがF1かな?
上部にアンカーあり


F2−2段6m


F3−2段15m
下段ナメ状


F3−2段15m
上段

その先のF3。下段は手も使わずに登れるただのナメだが、上段はどう見ても水流の中を通らなくてはならない。リーダーが先行しフィックスロープを張ってもらい、その後を確保しながら登って行く。中段までで背中までずぶ濡れ。
その先のF4一枚岩の滝も同様にシャワークライミングとなった。

私は気持ち良かったで済んだが、体脂肪の少なそうな女性はガタガタとふるえる羽目になった。
F3F4とも、落ち口にピンが打ってあるので安心して確保できる。

F5は簡単に通過。その先で水が枯れる。


F3をシャワークライミング


私もF3を濡れながら登る


F4−2段9m
一枚岩の滝


私もF4の上段を登る


F4もシャワークライミング


F5手前の3m滝


F5−5m


F5奥の3m


だんだん水量が少なくなる


小さなCSを越える

ここからは枯れ沢登りだ。
F6は階段状で何の心配もなく登れる。

次のF7が今回の核心だ。
最初に見たときは覆い被さっているように見えて絶対無理!と思った。
リーダーが苦心して登り始めたがなかなか苦労している。
思わず巻き道を登り、落ち口でロープをセット。ロープダウンしようと思ったら、無事リーダーが登ってきた。その後ロープダウンしフィックスロープで登ってくる。私は、リーダーから、「ここまで来たのだからF7を登らずに終わるのは恥ずかしいんじゃない?」といわれ、舌打ちをしながら懸垂下降。改めて登り始めた。

最初の部分は足が遠い。正面を向いて登るのは足の入替があって難しく、両手を確保し身体を左にひねって右足をクロスして登ると階段状に登ることが出来た。

その後は順調に登るが、落ち口手前の最後の一歩が無い。左の壁はハングしているし右側はツルツル。真上の小さなチョックストーンを左手で巻き込むように抱いて右足をズリ上げ膝を使って登ってしまった。
ちょっと格好悪い。


水が枯れ、二俣で休憩


F6が見えてきた


F6−5mは
簡単に登れる


F7−2段10m


F7は結構ドキドキ


F7落ち口より下を眺める


懸垂下降で一旦下まで下る


再びF7を登る

落ち口から少し登ったところで渓装を解く。
再び歩き始めるとすぐ先に稜線が見える。本当に詰めが短く楽な沢だ。
稜線に到着した後、東に進み権現山に向かう。頂上は樹木に囲まれ、唯一マスキ嵐の沢筋が眺められる他は眺望がない。


詰めは短い
すぐ先に稜線が見える


詰めを登る


権現山に到着


南の尾根を下る

ここからは、事前に教えてもらったバリエーションルートを下る。ひたすら南に下り、地図には乗っていない林道に突き当たるコースだ。バリエーションルートは先頭を歩いてルートファインディングするのが楽しい。ここで、私が先頭に立つことを容認して下さったリーダーに感謝。

最初は鹿柵沿い、そこから尾根に乗り下って行く。何度か分岐があったがそのたびにコンパスで方向を確認して下る。
途中、岩が多く露出した地帯を通る。岩の間が抜けて落とし穴になっていたり岩の下に祠のような穴が空いていたりと、いかにも熊が住んでいそうな雰囲気。「ホーイ」と声を出しながら下ると、後から「ガオー」と皆のからかう声。笑い返すが、結構ドキドキ。

ヒノキ林に入り、735mの三角点の手前から左に続く支尾根(マーキングのテープに矢印あり)を下って行くと、下の集落のためにたてられたと思われる電波中継用アンテナがある。そこから伸びる線を辿って下ると、尾根を横切る林道に出た。
辿り着いた林道はまだ出来上がってから新しい感じだ。途中に倒れていた杭には平成12年と記されている。どおりで地図に載っていないはずだ。


ロックガーデンは熊の住み家のようで怖かった

735.04mの三等三角点「中川村6」
通称 「峰山」


林道に出る


林道をひたすら下る

このまま尾根を進もうとも思ったが、薄暗いヒノキ林の急峻な尾根は気持ちよさそうには思えない。林道を大滝橋方面に進むことにした。何処に辿り着くのか判らないまま進んだが、結局、登りに使った大滝橋から伸びる林道の突端に接続していた。
そこから再び林道を下り大滝橋に着いたのが13時半。バスを待って乗込み、中川温泉の「ぶなの湯」で入浴休憩後、気持ち良くなって自宅に帰ったのでした。


今年最初の沢山行は、いきなりのシャワークライムとちょっと怖いロッククライミングで、結構楽しむことが出来ました。
リーダーの帆秋さん、井上さん、一緒に行って下さった皆さん、どうもありがとうございました。
サブリーダーという立場で参加させていただきましたが、余りお役に立てず申し訳ありませんでした。
これからも精進して早く皆さんのお役に立てられるよう頑張ります。





今回観察した花たち


エゴノキ


ウツギ


ヤマツツジ


ツルシロカネソウ