2008年9月17日
伯耆大山
初めて夫婦で山登り



自然歴史館前駐車場0630〜0640夏道駐車場0650〜07061合目〜07202合目〜07323合目0735〜07474合目〜07575合目〜08106合目0815〜08458合目0850〜0910山頂1012〜11106合目1120〜1132行者谷分岐〜1205大堰堤〜1230奥宮〜1302大山寺〜1335自然歴史館



大学を卒業して、今の会社に入社して25年。社の規定により永年勤続賞として10日間の特別休暇と10万円の旅行券を頂いた。丁度結婚20周年を迎えたこともあり、妻とゆっくり旅行に行くことにした。
考えてみれば、結婚したときは妻のお母様が亡くなり、結婚式も新婚旅行も無かった。親戚への披露の必要から1年後に子連れ結婚式を行ったが、結局新婚旅行には行かないまま20年が過ぎてしまった。

さて何処に行こうと二人で考えたが、子供の教育資金のこともあり海外旅行というわけには行かないようだ。それではと、妻が小さい頃を過ごした松江の街を訪ねることにした。
1日目は、羽田から出雲空港へ。妻は飛行機が初めて。乗るまでにドキドキ。滑走時の加速と振動にまたドキドキ。離陸時の静寂と上昇角度に更にドキドキ。飛んでからは機外の風景に見とれる。
出雲空港でレンタカーを借り、松江までドライブ。市内に車を停め、松江城、小泉八雲邸、そして暮らしていた北堀町などを散策する。妻は何もかもが懐かしいようだ。通っていた小学校は廃校になり記念碑だけが残る。住んでいた家は取り壊され新しい家が建っていたが、その家自体が既に古びてしまっている。時の流れをつくづく感じる。全てのものがミニチュアのように感じるのは幼少時代を訪ねたときの常。それでも、昔怖くて渡れなかった掘り割りは未だに大きく魚たちが優雅に泳いでいる。すぐ裏手に昔からの酒造屋があるのにビックリ。子供は酒には興味がなかったので記憶に残っていないということか。
夕方には、宍道湖の遊覧船に乗り沈む夕日を楽しむ。そのあと、近所の居酒屋で夕食。先程見つけた酒造屋の「やまたのおろち」を冷やで楽しむ。とても美味しい。


松江城にて


北堀小学校跡


宍道湖に沈む夕日

翌日は、伯耆大山への登山だ。ここからが本題だ。

ホテルの朝食をキャンセルし5時に出発。レンタカーの運転にもようやく慣れた。一応高速道路を走ったが、この交通量では下を走っても大して時間は変わらないだろう。自然歴史博物館前の駐車場に停め、山登りの準備を整える。コースは夏道から上り、参道を下ってくるコースだ。

登りは、最初は順調。次第に妻の足音につられスピードが速くなってきてしまう。6合目を過ぎたところで私がバテ始める。ペースを落としゆっくりと登ってもらいようやく山頂に到着。三角点を探すが見つからない。あとから来る登山者に聞いても知らないようだ。目の前にある避難小屋にはいると一人の登山者が弁当を食べているところ。三角点の位置を訪ねるとご存じのようだ。但し柵の外になるので勝手に行かないで欲しいとのことだった。あきらめて再び頂上で休んでいると、先程の方が登ってこられた。三角点付近の植生調査に行くので指示に従ってくれるのなら案内してくださるとのこと。喜んでお願いし、柵の外に進む。保護された植物を踏まないよう慎重に進む。両側はガレた崖となっているのでそちらの方も注意しなければならない。ようやく辿り着いた三角点は、こんもりとした塚のよう。実は、数年前の地震の際頂上が崩れ5mほど移動してしまったのを設置し直し、周囲の植生を復活する活動をしているとのことだった。伯耆大山は古い火山だけに山体の崩壊が進んでいる。これらの活動により崩壊を止めることは出来ないにしても、せめて人の入山による崩壊の進捗だけは避けたいという言葉に深い感銘を覚えた。

帰りの下りは私は慣れたもの。妻は下る度にブレーキが掛かり苦労している。登山に不慣れな人は下りが下手という話そのまま。ちょっとプライドが復活。
行者谷分岐から向かった大堰堤から見た大山は、山体全体に崩壊が進んでいるのが実感できて恐ろしいほど。毎年どれだけの土砂が沢を下り海を埋めて行くのだろうか。

下りに寄った大神山神社の社は大きくウィングが伸び、あまりの立派さにビックリ。大山寺にも参拝し無事駐車場に戻った。

予定より早めに下ることが出来たので、登る途中に見下ろした牧場に行ってみることにした。

辿り着いた牧場は、妻がよく飲んでいた白バラ牛乳の製造元だった。ここで食べたソフトクリームはなんだか懐かしい牛乳の味がするようだった。
この後、玉造温泉に宿泊。また、やまたのおろちを飲んでいい気分。足湯にゆっくり浸かっていたらすっかり酔いが回ってしまい、気がついたら翌日になっていた。


余裕の表情の妻


頂上から避難小屋を望む


頂上にて夫婦仲良く


三角点を案内してくださった久保さん


三角点は向こうの頂上の上


三角点全景


大神山神社


ミルクの里から眺めた大山

最終日は出雲大社。さすがに立派な社。博物館も見学した。
時間に余裕があったので日御碕に行く。ウミネコが有名なそうだが時期外れでただ島があるのみ。
海岸線は切り立った岩場。普段の成果を発揮して、偉そうにさっさと岩の間を登り降り。遅れた妻をこれ見よがしに気遣うふりをする。そしてちょっと手を差し伸べて助ける。
まあ、この程度のつきあいと騙し合いで、これからも長く暮らして行くのだろう。


出雲大社本殿


引いたおみくじは仲良く26番


日御碕にて


サスペンス劇場風

これで、永年勤続表彰の旅は終わり。再び飛行機に乗って現実世界に戻る。
次に二人でゆっくり旅行が出来るのは、きっと定年を迎えたときなんだろうなあ。
それまでお互いに健康で長生きできるように頑張ろうねと話しながら帰途についた。



今回観察した花たち

教えていただいた久保さん、ありがとうございました。
環境庁自然公園指導員の腕章を初めて見させていただきました。
これからも頑張ってください。

トモエシオガマ


キュウシュウコゴメグサ


ホソバノヤマハハコ


イヨフウロ


サラシナショウマ


ヤマトエリカブト