2008年11月11日
鐘ヶ嶽北尾根
シーズン最初の単独V山行


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煤ヶ谷0637〜0725三角点分岐〜0728三等三角点(291.5m)〜0745岩のステージ〜0816福神山(420m)〜0848鐘ヶ嶽0853〜0910二ノ足林道分岐〜0943見晴広場B〜1010東屋1030〜1040大沢分岐〜1053二ノ沢ノ頭〜1122日向川〜1125駐車場1135〜1207日向薬師バス停



11月11日は勤務している会社の創立記念日。入社以来25年目にして初めて休みを取ることが出来た。

さて、どこに行こうか。今シーズン初めての単独バリエーションルートを行くことにしよう。地図を見ながら検討する。谷太郎川左岸の尾根がまだ残っているので行こうと思ったが、コースとして唐沢川右岸も含めたい。でも、熊が怖い・・・

そこで、思い出したのが鐘ヶ嶽北尾根。昨シーズン行こうと思っていたが、機会のないまま春を迎えてしまった。このところネットでも山行報告があがっているので行ってみることにした。

皆は、尾根の始まりからでなく鳥屋待沢の向かいから入山している。私としては、やっぱり突端から登り始め、ピークを巻くことなく鐘ヶ嶽まで到達したい。

相鉄線下り始発に乗り本厚木でも上煤ヶ谷行き始発に乗る。煤ヶ谷着6時半。単独ということで、準備万端。革手袋、ヘルメット、ピッケル、シチミさんから教わったおもちゃのピストル。用意を整えてバス停を出発。途中で出勤途中のサラリーマン風のおじさんに出会う。おはようございますと挨拶を交わしたが、こちらの奇妙な出で立ちに腰が引けている。

「じけのやばし」を渡って、尾根の突端に取り付こうとする。目の前にお墓。さすがに入ることが出来ず、橋の脇から回り込んで取り付く。急登。ずるずる滑って川に落ちそうになる。いきなりピッケルが役立ってしまった。中腹からは、樹木が切り倒され草原風の斜面。広々として気持ちよいはずだが、下草はカラスザンショウ。とげだらけの枝に閉口。


橋からこれから上る尾根を見る


尾根の登り始め
結構急登


尾根筋は伐採されている


先の尾根が見えてきた


カラスザンショウの幼木が痛い


ピークに祠があった

祠のあるピークを越えると尾根に乗る。鹿柵に何度も出会う。橋のたもとからずっと新しい測量杭が打ってあり下草が刈ってあるのでとても歩きやすい。三角点に寄るため途中のピークを右折。祠の先に三角点。

戻るときに祠の下に古い経路を見つけた。地図に波線で書いてある道だろう。ピークまで戻り更に進み鞍部に到着すると、さっき見かけた経路が左から交わってきた。正面には右下に下る経路がある。更に正面にはピークを左から巻く道が付いている。ここが、地図上の鞍部の四つ辻だろう。


測量杭が続く径

鹿柵の扉


三角点手前の祠


三等三角点(291.5m)


三等三角点


左後方からあがってきた径

右に下る径


左に下る径

巻道には進まず、尾根の先のピーク目指して藪を突き進む。当たり前だが、ピークを越え急坂をようやく下ると、先ほどの道が左から”のんびり”と交わってきた。この道はそのまま左に下っていくようだ。右側には鹿柵の潜り戸。潜って出たところは、岩のステージ。岩の壁を背にして独唱したいところだが、今は熊除けの「ホーイ」という声で精一杯。


岩の小ステージ

岩の大ステージ

ここからは、正面に円錐型にそびえるピークに向かって急登を登って行く。ようやくたどり着いたと思ったらその先にもう一つ大きなピーク。気を取り直して登り。たどり着いたところが標高420mの福神山。
一旦下ったその先には、更に高い鐘ヶ嶽が見え隠れしている。


クマの爪痕?


福神山は420m
もう一度気力を出し登って行く。鞍部から先は藪。笹藪でないのでまだましだが、シロダモの枝は頑丈でなかなか潜り這い出すことが出来ない。かといって尾根を外れれば後で痛い目に遭うことは明白。必死の思いでくぐり抜けたら勾配が緩くなり、少し行くと鐘ヶ嶽の頂上に出た。

鐘ヶ嶽は、丸太のベンチはあるが余り気味の良い場所ではない。三角点の写真を撮り更に南に向かう。ここから先は一般の登山道。のんびり歩く。山ノ神隧道の上を通り二の足林道への分岐を過ぎると再びバリエーションの世界。


藪の急登を進む


鐘ヶ嶽のピークが見えてきた


鐘ヶ嶽の頂上

鐘ヶ嶽の三角点


鐘ヶ嶽の石仏


鐘ヶ嶽からの下りは一般登山道


林道への分岐点


道標の裏には見晴広場Bへの案内が記されていた

また急登だ。崩れやすい岩の急斜面を、足下を確認しながら確実に登って行く。そこを越えるとまた静かな尾根になる。赤松尾根との合流地点は「見晴広場B」。大山方面に向かい、東屋で昼食とする。


見晴広場Bに到着


東屋で昼食


途中で鐘ヶ嶽を振り返る


相模湾も見ることが出来た

昼食後大沢分岐に向かって登る。下りにしか使っていなかったのでなんだか新鮮。大沢分岐から日向薬師方面に向かい、二ノ沢ノ頭で南側の尾根に向かう。

初めての尾根の下りは怖い。道を間違えれば沢に突き当たり登り返さなければならない。広い尾根をきょろきょろ見回しながら下って行く。方向が曖昧になっても、少し下ってじっくり見れば、その先に下るべき尾根が微かに見えるものだ。その左右を見渡して、下ろうとする尾根の先より標高が高そうな部分がなければOK。後は足下をしっかり確認して滑落しないよう下るだけだ。

日向川の水音が聞こえ、尾根の突端が切れ落ちたところでこの尾根を完登とした。少し右にトラバースして沢に下り、石を飛び移って向かいの駐車場下に渡り、斜面を無理矢理登って駐車場に出た。ここで、ヘルメットを脱ぎ、ピッケルをしまった。


大沢分岐への登りは両側が切り立っている


大沢分岐に到着


二ノ沢ノ頭に到着


右手の尾根を下って行く


尾根の突端は切れ落ちている


トラバースして日向川を渡る


駐車場に到着


ヘルメットさんとピッケルさん、
ありがとうございました。


林道途中でイノシシ用の仕掛けを見ました

後は林道をとことこ下り、日向薬師バス停に到着。丁度バスが登ってきたところで、10分後の折り返しバスに乗車して伊勢原駅に向かった。

久しぶりの単独バリエーションルートは、熊に怯えながらドキドキの山行になりました。結局、山では熊にも鹿にも人にも会わず、無事に生還することが出来ました。
今シーズンも、もう少し東丹沢を登るつもりでいますが、クマさんのお庭で遊ばせていただいていることを忘れず、安全第一で楽しみたいと思います。