2009年1月10日〜11日
三ノ塔〜ネクタイ尾根
新雪にトレースをつける


地図をクリックすると別画面で1:50000図を表示します。


20090110
大倉0724〜0850牛首0857〜1047三ノ塔1130〜1145二ノ塔から1227菩提峠〜1320岳ノ台

20091111
岳ノ台0530〜0615ヤビツ峠〜0750大山〜0810ネクタイ尾根分岐〜0910唐沢峠1000〜1018(893m)〜1100(778m)〜1153林道(395m)〜1225日向薬師バス停



金曜日は久しぶりの雨。山では雪だろうと言うことで、土曜日はトレース一番乗りをしてみたい。また、来週は八ヶ岳で雪山デビューなので寒さも体験しておきたい。
そんなことで、ビバーク覚悟で丹沢をウロウロすることにした。リュックの中は、自炊道具とガスランタン、大きなシュラフにシュラフカバー、マット、一応ツェルト。8mmロープに救急用品、たっぷりとウイスキー。重い・・・



1月10日

まずは大倉から三ノ塔へ。三ノ塔尾根は意外と雪が少ない。登山口は一番乗り。雪が出てくる前に900mを過ぎた頃からボチボチ雪がつき始める。荷物が重く牛歩。途中で2人に抜かされる。積雪は三ノ塔では約10cm。写真を撮るのに歩き回り、吹きだまりに足をつっこむと膝上程度。

  
三ノ塔に到着                           三ノ塔から表尾根を望む


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三ノ塔から大山を望む  左下にヨモギ平が見える


雪が積もると樹木に隠れていた地盤面が視認できるようになり、地形がはっきりと判るようになる。
これから向かおうと思っていたヨモギ平が眼下に広がる。あそこまで行ってしまうと、BOSCOキャンプ場まで下って再び二ノ塔まで上がってこなくてはならない。その稜線もしっかり確認できてしまう。
・・・以外と距離があるなあ。1時間近くのんびりと昼食をとりながら景色を楽しんでいたら、だんだんと根性が無くなってきて、足はまっすぐ二ノ塔へ・・・

二ノ塔から菩提峠に下る径は、1人の上りトレースがあった。残念!と思ったが、歩いてみたらトレースがありがたかった。この尾根は稜線が広く平らでルートを見極めづらい。これ無しには菩提峠にはまともにたどり着けなかっただろう。

菩提峠には沢山の轍の跡。車が2台駐車していた。ここから岳ノ台に向かう。ようやく先行者のいない場所にトレースをつけることが出来る。とはいえ、全く何もないというわけではなく、犬やシカの足跡が所々にある。シカの足跡も大小様々。中には見事に大きいものもあり、この持ち主には会いたくないなあと思った。

シカも歩きやすいところを選ぶようで、雪に隠れた登山道を探す絶好の目標になる。ただ、ボーとしてついて行くと脇道に引き込まれる。周囲と足下を確認しつつ慎重に進む。


岳ノ台への径から二ノ塔を振り返る
先行者のトレースはない!

菩提風神社


足跡が一つもない岳ノ台の広場から大山を望む

岳ノ台は動物の足跡もないまっさらの広場だった。今日はここでビバーク。展望台の下は板張りで風よけになり何とか一晩過ごせそうだ。廻りの雪を集め水を作る。平地用ガスなので火力が弱い。ウイスキーをちびりちびり飲みながら作業をしているのでそれほど寒さは感じない。

ウイスキーとつまみのミックスナッツで結構満腹。夕食のカレーライスはご飯半分だけ。あとはシュラフにくるまりとにかく寝る。満天の星空を期待したが、満月の明るさが雪に反射してとても明るく、星がよく見えない。そのうち風が強くなり吹き飛ばされそうになる。休憩所の風よけ壁も余り役に立たない。雪を溶かしたお湯をプラティパスに入れてシュラフの足下に入れ湯たんぽにする。うつらうつらしながら気がつけば翌日4時半になっていた。



1月11日

昨日残したご飯を鍋に掛けREIさんに教わった野菜ジュースの素を入れてリゾットにして食べる。身体が芯から温まって活力が涌いてくる。
5時半にヘッドランプをつけて出発。きわめて単純なハイキングコースのはずなのだが闇とシカの踏み跡にだまされ道を誤る。ちょっと先の道標に気がつかない。それでも何とかヤビツ峠にたどり着く。バスロータリーは除雪してあるが凍り付いている。今日も蓑毛止まりだろう。大山山頂の日の出を見たいと思ったが間に合いそうもない。昨日たっぷり踏みしめられたイタツミ尾根はカチンカチンに凍っている。アイゼンをつけて登り始める。
東の空が赤く染まり始め、標高910mで日の出を迎える。正月に長男が、海から登る初日の出が見たいので江ノ島に行くと言ったので、そこからじゃ三浦半島から登っちゃうよとからかった。私は今日密かに海からの日の出を期待していたが、現れたお日様は、三浦半島からこそ登らなかったが、海からではなく房総半島から登ってきたのだった・・・

  
房総半島から朝日が昇る


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大山展望地から富士山と表尾根の眺め


大山西側の展望地を通って北尾根にはいる。往復取り混ぜて5人ほどのトレース。このうちの最初のひとつが、昨日通られたAYさんのものなのだろう。トレースの多さが少し残念でわざとトレースを外して歩く。モノレールの方向転換ポイントでネクタイ尾根にはいる。ネクタイは全部撤去してあると思ったが一つだけぶら下がっているものがあった。

ネクタイ尾根は昨日一人分の下りトレースが付いている。辿りつつ外しつつ駆け下りる。来週からの雪山に備えて購入した靴を履いてきたのだが、足首の自由が効かず靴の外縁がふくらはぎ下に当たって痛いのは仕方ないとしても、右足指付け根付近に堅いものが当たるのがとても痛い。途中で我慢できなくなり靴を脱いで調べる。靴紐下中央のベロをつないで内側に折畳まれている部分が変にねじれ癖が付いて当たっているのだった。一旦伸ばしてから再び押し込み、靴紐を締め直し何とか強く当たることはなくなった。家に帰ったら矯正しないとだめだなあ。


春岳山への分岐には、
尾根に向かってトレースが付いている


イタツミ尾根の途中で雲がかかっていない富士山


大山北尾根は数人のトレース


ネクタイ尾根は下降者一人分のトレース

本当は、ネクタイ尾根を下ってから石尊沢右岸尾根を登り返すつもりだった。しかし、唐沢川の日の当たらない河原を通過したとき、また根性が無くなりそのまま唐沢峠に登ってしまった。ここで早い昼食の段取り。廻りの雪を溶かし、期限切れになってしまっていたインスタント天ぷらそばを作る。そろそろできあがるというところで三峰側から団体が下りてくる。なんと同じ会のメンバーだ。昨年度の幕岩スクールのメンバーで新年山行に来たとのこと。皆が、スパッツとアイゼンを装着している間に私の食事も終わり、これからネクタイ尾根を上る皆と別れて梅の木尾根に向かう。

梅の木尾根を進んで浄発寺奥の院に下るつもりだった。788mピークでアイゼンを外しもう一度靴の調子を直しているときに対向者が登って来るのに出会い、なぜか一瞬自分が大沢分岐にいるつもりになってしまい、本当は左に曲がって下らなければならないのに直進してしまう。正面に鹿柵とキャンプ場への標識を見つけて誤りに気づく。

一旦登り返すが途中でこの径が初踏であることに気づき、改めて下り始める。結構急な径だ。重い荷物が肩に響く。途中で後で物音がしてびっくり。一人の方が下ってこられた。まさかこんなところで人に会うとは思わなかった。ようやく下りきるとハンターの方が準備の最中。おじゃましましたと声をかけ林道を下る。奥の院の入口で寄って行こうか思案したが、ここまで手を抜いた山行なのでもう気力が出ない。お辞儀だけしてそのままバス停に向かった。


寒そうな唐沢川


893m分岐の先は既に大人数のトレースで
雪と落ち葉が混じり合いぐちゃぐちゃだった

今回は、ビバーク予定で荷物が多く、前週の1.5倍を超える時間がかかるようなカメ歩きだったので、お恥ずかしい結果となってしまった。

ヨモギ平に行く余裕は十分あったような気もするのだが、一旦気を抜いてしまうともう復活は出来ないものだとつくづく感じた。
予定した計画は着実にこなして行く気力も大切ですね。

それにしても、岳ノ台、寒かった・・・・・・