2009年2月11日
鍋嵐〜惣久経路
唐沢川右岸バリエーション


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本厚木バス停0655−0733土山峠バス停0742〜0758(348mP)〜0809(419mP)〜0837宮ヶ瀬尾根合流〜0848堤川林道への分岐尾根(571m)〜0931能ノ爪〜0940(719mP間違って北へ行き戻る)0950〜1013鍋嵐1030〜1055(710mP)〜1125丸淵1135〜1138林道〜1212(706mP)1221〜1257大山三峰北峰〜1316惣久経路分岐〜1336尾根合流〜1345(616mP)〜1406(415mP)〜1434不動沢出合道〜1446煤ヶ谷バス停



久しぶりに宮ヶ瀬方面に行こう。鍋嵐と丸淵にも行ってみよう。そして、大山三峰の北側の尾根にも初めて挑戦しよう。

土山峠から煤ヶ谷まで、まだ歩いていない尾根を探しながらルートを引いてみる。鍋嵐の先のピークから丸淵に下る尾根の下降がきつそうだ。うまく下らないと沢の途中に入りこみ、滝に捕まって進退窮まってしまうかも。。。三峰北峰への登りも、崖マークがいっぱいあってヤバそうな気もする。そんな懸念もあるが、駄目だったらもと来たルートを戻ればいいと覚悟を決めて実行に移す。

宮ヶ瀬行始発バスに乗って土山峠下車。珍しく駐車車両もない。今日はピッケルとヘルメットを持ってきた。身支度を調え林道を歩く。二つ目の橋の手前に作業道があるので入って行く。そのまま進むと沢沿いに進んでしまった。少し戻り尾根を見上げると、伐採予定と思われるマーキングが目にはいる。注意して周囲を見ると微かな踏み跡が見えてきた。

毎度思うが、バリエーションルートでは、尾根のてっぺんを思いっきり上り詰めるのもひとつの方法だが、消えかかった微かな踏み跡を目をこらして探りながら辿るのもまたひとつのおもしろさだと思う。まあ、間違えて獣道を進んでしまい痛い目に遭うのもしょっちゅうだが。。。

さて、踏み跡を辿って行くと尾根先端の大岩に辿り着いた。登ってみると宮ヶ瀬湖や向かいの仏果山などが一望できた。改めて尾根に向かい進んで行く。はじめはなだらかだったが、だんだん勾配が増し、通称「岩のピーク」手前では、ズルズル滑る足元にピッケルを刺してアンカーにしながら登って行く。岩のピークで宮ヶ瀬尾根に合流。


堤川林道の向こうの尾根を登る


沢の手前に作業道がある


尾根突端の大岩


岩のピーク手前は急勾配

能ノ爪方面に向かう。この尾根はなだらかで気持ちがいい。雪が降り始めるが程なく止んだ。途中597mの先で尾根が二方向に分かれるが、見通しの効く左手の尾根につられてしまい慌てて方向転換する。鹿柵が続くが行き止まり部に脚立があり乗り越えることが出来る。能ノ爪手前の植生保護柵地帯では、「不思議のミズキ」が元気だった。

能ノ爪に到着後、西に向かう。鍋嵐までほぼ真西に歩いて行けばい良い。ところが、719mピークで北側に延びるなだらかな尾根につられて入ってしまう。気がつかずに左手に見えるゴジラの尾根を三峰北側の尾根群と勘違いしなだらかで良いなあなどとノンビリ考える。ふと正面を見上げると延びているべき尾根がない。慌ててコンパスと地図で確認。なんと、今歩いている尾根はハタチガ沢に消えて行く尾根であった。このまま進むとシチミさんと戦った熊さんとご挨拶しなければならない。慌ててUターン。改めて719mピークから西方向に進む。


能ノ爪手前の広場


広場にある不思議のミズキ


能ノ爪に到着


先を間違ってしまった719mピーク


間違った尾根は平らだが痩せている


間違った尾根からゴジラの背を望む


鍋嵐も結構ポピュラーになっており、自然歩道物見峠北側の祠の裏からしっかりしたルートがついている。この為よく一般登山者が間違えて入ってしまうので、今は通行止め柵が付けられたそうだ。このルートは、能ノ爪と719mピーク及びこれを結ぶ尾根上を通らず、南側の山腹をトラバースしている。そのルートを通っていればハタチガ沢への尾根に間違えて入ってしまうことはない。

ようやく鍋嵐に到着。昼食にする。丹沢三峰が霞んで見える。ここから南西に方向転換。尾根は710m手前のピークで大きく左に曲がるが、正面に見える710mに進むためにはその尾根の横っ腹を急角度で下降し支尾根に下らなくてはならない。本当はロープを出して下った方がいいくらいの勾配だ。ここもピッケルを突き刺しアンカーにして足場を作り下る。

710mのピークは広い。だいたい一番高そうな所に辿り着いたところで南東に方向転換して下って行く。間伐の手が入っており、作業道が微かに確認でき、それを頼りに下る。右側に壊れかけた鹿柵が続く。途中尾根が二俣に分かれるが鹿柵沿いに行けば予定通り右側の尾根を進むことが出来た。どんどん勾配が増す。時折ズルズルと滑り落ち、ピッケルと足で踏ん張って身体を止める。そして、最後の沢手前で鹿柵に通せんぼされる。扉も脚立もない。仕方なく30mほど登り返して壊れた部分を乗り越えて右側に出た。

改めて下って行くと左上流に滝が見える。右下流の方にも滝があるようだ。やってしまった。。。どうするんだ。。。とドキドキ。沢手前は10mほどのほぼ垂直の土壁。ロープを出せば良かったのだが、横着して木につかまりながら下って行く。あと5mほどの所で足元が崩れ木に宙ぶらりんでぶら下がる。しまったと思ったがもう遅い。片手でぶら下がり、片手でピッケルを近くの木に引っかけ、ターザンの様にして何とか脱出。今回の最大の反省点であった。

さて、滝の見える沢に降りてしまった。下流を見ると、2段の小滝の先に左側から入ってくるもう一つの沢があり、広い河原になっている。足元を確認しながら小滝を下り河原に立って改めて周囲を観察する。地図と併せて検討した結果この辺に丸淵があるということまで判った。上流に向かって右側が本流の物見沢、左から合流するのが一ノ宮沢。しかし、どれが丸淵だかよく判らない。

自宅に帰ってからM−Kさんの山行記を改めて確認したところ、丸淵は、物見沢をもう少し遡行してゴルジュの先の滝上にあるようだ。もう一度トライする必要があるようだ。。。


鍋嵐に到着


710mピークからの下りは整備された植林地


滝のある沢に下りてしまった


二段の滝


二段の滝から二俣を見下ろす
すぐ下も二段の滝になっている


二俣の河原
左が一ノ宮沢

河原から一ノ宮沢を見る


少し登って物見沢の滝を見る

真向かいの尾根に取り付く。すぐに廃止された自然歩道に出会う。右手に尾根を巻く作業道がついている。辿って行くと無事に舗装された林道に出た。さて、この林道で分断された尾根を更に登る必要がある。目の前の小さな沢から何とか取り付くことが出来そうだ。メインの尾根に辿り着くべく、左にトラバース気味に登って行く。左側から合流してくる尾根には作業道が刻まれている。上を見上げればつい先日間伐作業を行ったばかりの見通しの良い植林地。踏み跡を辿りながら706mピークまで上り詰める。ここでまた休憩。

正面には、これから登ろうと思った三峰北峰が見える。思いっきり切り立っている様に見える。そういえば崖マークがあったよなあ。果たして登れるのだろうか。駄目なら戻るつもりで鞍部まで下る。目の前の斜面は、切り立っているが植林地で、鹿柵もあるし間伐の形跡も見える。ということは登れると言うことだ。意を決して斜面に取り付く。登ってみればたいしたことはない。下れと言われれば躊躇するが登るのは意外と易しい。雑木を頼りに若干ジグザグ気味に登り何とか北峰のピークまで辿り着く。


林道まで登ってきた作業道


これから登る尾根
林道で分断されているため崖地になっている


登ると整備中の植林地だった


706mのピークに到着


行く先を見ると見上げる様な急勾配の斜面


鞍部に下りて眺めれば何とか登れそうだ


登る途中に鍋嵐方面を見る


大山三峰北峰まで登りきる

ここから惣久経路入口までは一般自然歩道。ノンビリと歩いて行く。この時点で12時を廻っている。それなのに、物見峠方面から軽装の若者たちが登ってくる。その内の一人はビール片手に真っ赤な顔をして歩いている。三峰まで行くそうだ。山の中は暗くなるのが早いから無理しないで下りてねと声をかける。

ようやく右手に惣久経路への分岐に到着。入口は進入防止ロープがあったのだろうが、今は両端の杭のみが残っている。本道と分かれ右に向かう。急な斜面のトラバース道は、殆ど道としての形を失い微かな踏み跡のみとなっている。時々ルートが折り返すのを見失って真っ直ぐ突っ込んでしまい、周囲を見渡して数メートル下に踏み跡を見いだしてコースを改める。沢状の部分は簡易にトラロープが張ってあるが心許ない。まあ、崖地ではないので足元が滑って滑落しても、四肢を踏ん張れば大事には至らないだろうが、登り返しが面倒だ。一歩一歩確認しながら進み、ようやく本来の尾根に辿り着く。

あとは、尾根を下るだけ。以前ここを登ったときはひたすら尾根突端を辿ったが、今回は旧道である経路を探しながら下って行く。どうしても尾根沿いに進もうとするものだから経路を見失うが、改めて右下を探すと薄い踏み跡が見いだせる。最後の二俣の分岐も間違うことなく下り、無事に不動沢の出合に到着した。あとは車道を歩き、煤ヶ谷バス停横の酒屋でビール500mlを一気飲みして本日の行程は終了。15分ほど待って本厚木行きのバスに乗車した。


登ってきた尾根を振り返る


惣久経路分岐


経路は崩れ薄い踏み跡のみ


沢筋には頼りなげなトラロープが張ってある


やっと不動沢出合の道に到着


バス停近くの民家のn庭に梅が咲いていた


今回は、道間違いが多かった。それも、以前通ったことのあるルートでだ。バリエーションルートを選択して歩くのなら油断は禁物。これからも心を引き締めて歩いて行こう。