2011年8月14日〜8月17日
赤木沢〜槍ヶ岳
再び銘渓と名峰を辿る




20110814
折立0825…0953三角点…1200太郎平1215…1255薬師沢左俣1300…1400薬師沢小屋
20110815
小屋0530…0650赤木沢出合…0815大滝…0953中ノ俣乗越…1150黒部五郎岳…1430黒部五郎小屋
20110816
小屋0450…0640三俣蓮華岳0645…0755双六岳0800…0847双六小屋0900…0940樅沢岳…1330槍ヶ岳山荘1350…1415槍ヶ岳1425…1445山荘
20110817
山荘0533…0915横尾山荘…1005徳沢園1035…1200上高地BT



 2008年2009年とみろく山の会の山行のメンバーとしてで赤木沢に行った。ギブアンドテイクとしてリーダーで赤木沢の山行を企画したが、昨年は天候不順のため中止としてしまい、今年はそのリベンジだ。
 今回は、赤木沢だけではなく、詰めた後に縦走して黒部五郎岳から笠ヶ岳まで向かうつもり。

 13日に高速バス乗り場の新宿西口に集合。22時20分出発の予定が、渋滞でバスの到着が遅れて1時間遅れで出発することになる。富山駅で乗り換えに20分の余裕しかないのでドキドキしたが、何とか10分前に到着。北口から南口まで20キロの荷物を背負いながらダッシュ!して何とか間に合った。

 14日8時25分に折立の登山口を出発。薬師沢小屋までは通い慣れた道だったはずなのだが、薬師沢左俣を過ぎてすぐに小屋だったような気がしていたので、なかなか小屋にたどり着かず気疲れする。ようやく小屋にたどり着き、ビールで乾杯。500mL800円也。同室のグループも赤木沢に行き、三俣山荘のテント場泊まりで槍ヶ岳に向かうとのこと。

 15日は5時からの朝食後、いよいよ赤木沢に向けて出発。薄雲が架かっていたが徐々にとれて青空が見えてくる。水量はいつもより少ない感じだ。
 赤木沢はいつ来ても美しい沢だ。赤い岩、緑の草原、青い空。本当に絵になる。今回はその後の縦走のため左俣を詰めるが、2008年のルートをうまく辿ることができて、大した詰めを味わうことなくお花畑の中を通って中ノ俣乗越に辿り着く。ここまでは天気がよかった。
 黒部五郎岳へ縦走すると、南から霧が沸き上がってくる。程なく眺望はなくなり、ただひたすら縦走路を辿ることになる。それでも時折霧が晴れた際にのぞき見るカールの美しさなどは味わってもらえたと思う。黒部五郎小屋が近づくと雨粒が落ちてきた。小屋に立ち寄り申込の前にテントを張らせていただくことを了解してもらう。テントを張り終わった頃に土砂降りとなる。何とか間に合った。水の確保と小屋泊まりのメンバーとの反省会のため、レインウエアを着て小屋に向かう。談話室で乾杯。生ビール900円也。


赤木沢出合


赤木沢の色の取り合いはいつも素敵です


黒部五郎岳も眺望は利かず


黒部五郎のカールでは少し霧が晴れた


黒部五郎小屋が見えてきた
こんばんはテント泊です




 16日、2時頃からテント撤収の音が聞こえる。目が覚めてしまったのでテントの中から顔を出して夜空を眺める。満月だ。二人でボ〜ッと眺めて過ごす。冷たい風が心地よい。黒部五郎小屋の朝食は4時半からだ。それに合わせて3時にシュラフから出てで朝食と撤収を行う。5時前に出発。三俣山荘への分岐で、道標に惑わされ矢印の方向である真正面の尾根に取り付く。足跡が付いているので安心して進むが、途中から急傾斜のザレとなりつハイマツの林にぶち当たって行き止まりとなる。ヤブこぎで進もうとも思ったが、単独ではないので来た道を戻る。 分岐点に戻ると右側に尾根を巻くしっかりしたルートがある。改めてそちらを進む。
 三俣蓮華岳は完全にガスの中。双六への分岐点からすぐ先にあるはずの山頂が見えない。踏み跡を辿ればすぐ先に三角点があった。
 双六岳もガスの中。直下の広い尾根を踏み跡とケルンを頼りに進みようやく双六小屋に到着。
 さて、ここからが問題だった。我々は笠ヶ岳に向かうのだから、90度方向を転換し裏手のテント場から双六池沿いに下り南の尾根に横腹から取り付かなけらばならない。しかし、目の前の立派な上り坂に気をとられ東の直登の尾根に取り付いてしまった。思い返せば、小屋の従業員が左正面に見えるのは鷲羽岳だと言っているのを聞いているのだから霧に隠れている槍ヶ岳の方向を想像できたはずだ。何よりも地図を確認せずに分岐を通過したことが間違いだ。道の間違いに気づいたのは、尾根を上り詰め樅沢岳頂上の標識を見た時だった。戻って正しい道を進むという選択肢もあった。それには1時間のロスを覚悟しなければならない。笠ヶ岳到着は17時を廻るだろう。私の結論は、「このまま進む」だった。そのほかに理由を付ければ、メンバーの二人は槍ヶ岳は未踏だったし、私もいつかは西鎌尾根を歩きたいと思っていた。そして、3人とも岩・沢には慣れたメンバーだった事だろうか。会山行として、そしてリーダーとしては誤った判断だったかも知れない。反省している。
 下見をしていない西鎌尾根は想像していたよりもスリルがあった。メンバーに恵まれてよかった。最後の急登をヘロヘロになりながら登り、ようやく槍ヶ岳山荘に到着。テント場は満員で張れず小屋泊まりとする。チェックインした後に槍ヶ岳山頂へ。久しぶりの山頂だ。眺望はなかったが嬉しかった。山荘に戻って談話室で乾杯。350mL500円也。


三俣蓮華岳も眺望は利かず


双六小屋
ここを右に曲がらなければいけなかったのだが
直進して尾根を上がってしまった


樅沢岳で道を間違えたことに気づく


なぜか槍ヶ岳を登っている


槍ヶ岳山頂にて




 17日は未明から風の音がものすごい。4時に起きて自炊室に行き、窓を開けると目の前は霧で真っ白。背後の白熱灯の明かりで目の前にブロッケンが見える。5時からの朝食に合わせて出発準備。雨具を着込んで5時半前に出発。強風に足下をすくわれそうになりながら下るが、下り始めると程なく風が止む。槍ヶ岳が盾になってるのだ。霧も上空を通過して行く。幡龍窟で、薬師沢小屋で同室だったグループと出会う。何故ここに私達が居るのかを説明するのに窮する。彼らは、槍ヶ岳山荘のテント場がいっぱいだったので殺生ヒュッテまで下ってテントを張ったそうだ。その手があったのには気づかなかった。その後、徳沢園で待望のソフトクリーム400円也を初めていただき感激。上高地バスターミナルでシャワーを浴びて、残り7席だったさわやか信州号に乗って横浜まで辿り着いた。


槍ヶ岳山荘を出発


河童橋では穂高の峰はお預けでした




 今回は道間違いが2回。バリエーションルートなら必ず地図を確認するのに、登山道では道標をちらっと見ただけで安易に判断して進んでしまった。自分一人なら自己責任だが、リーダーとしては失格ですね。今後十分に気をつけるようにしましょう。