2011年10月15日〜16日
分水嶺23 南八ヶ岳
風強く県界尾根のみ


20111015
小淵沢駅0610−0644野辺山駅0705…0835登山道分岐0840…0904防火帯の頭…1010小天狗…1120大天狗…1305赤岳北峰…1335赤岳展望荘

20111016
赤岳展望荘0700…0750行者小屋…0945美濃戸山荘…1030美濃戸口



 分水嶺の23回目は南八ヶ岳だ。今年の6月に企画したが、雨のために中止となってしまった。そのリベンジ山行となる。今回は好天のはずだったが、天気予報は荒天になるといっている。

 横浜を朝出発し県界尾根を登ると頂上の小屋に着くのが16時を過ぎてしまうので、野辺山近郊で前泊する必要がある。というわけで、久しぶりの小淵沢駅ステーションホテルの出番となった。

 小淵沢着の最終電車までには全員集合し、ホームの待合室で仮眠する。照明が改修され蛍光灯になっていた。今までは終夜点灯していたのでまぶしかったが、今回は終電を過ぎると消灯となり快適に休むことが出来た。



 翌朝は5時過ぎに起床。曇。6時10分発の小諸行き始発に乗車し野辺山駅下車。駅舎は早朝のうちは無人だ。外は雨が降り始めている。駅舎内でストレッチをしてから出発。

 降ったり止んだりの中、舗装道路を進み、途中から砂利敷きの林道(牧場用道路)となる。緩やかに林道を登って行くと、左手の牧場敷地内に本来の分水嶺である尾根筋がせり上がってくる。林道が尾根筋に近づいたところでゲートがあり、そこから尾根に沿って防火帯が伸び、その中に登山道が切ってある。ここから県界尾根の始まりだ。ここで休憩。

 ここまではちょっとペースが速すぎたと皆から苦情が出る。ヤブを漕ぐときもそうなのだが、初めて歩くルートはその先がどうなっているのか気になってどうしても足が速くなってしまう。反省して先頭を交代し、最後尾に廻る。防火帯の笹原は気持ちが良い。雨は相変わらす降ったり止んだり。それでも時々麓への展望が開ける。


林道から登山道に入る


防火帯の笹原

 防火帯の頭を過ぎると樹林帯にはいる。それなりに登降を繰り返しながら高度を稼いで行く。途中で下ってくる若者達とすれ違う。先の鎖場が危なそうだったのであきらめて下ってきたとのこと。ちょっとドキドキ。

 傾斜が急になってきたところでいよいよ鎖場が登場。最初の鎖はトラバース。なんと言うことはない。その次が10mほどの急な岩場。最初はドキドキしたが、よく見れば足がかりがしっかりしており、心配するほどでもない。ただ、鎖を掴んで登ろうとすると、鎖が振れて浮き石に当たり落石を起こす。ゆっくり慎重に登って行く。5カ所ほどの鎖場を越えるとようやく赤岳北峰に到着。小屋裏で休憩。主峰である南峰に向かおうとしたが風が強い。時折立っていられないほどの突風が吹く。そのため、南峰はあきらめて本日の泊地である赤岳展望荘に下った。


いよいよ鎖場
まずはトラバースから


急な岩場だが足場はしっかりしている


鎖を振りすぎると落石を起こす


ようやく赤岳北峰に到着

 展望荘では大部屋で予約したが個室をあてがわれる。ラッキー。宿泊者証明代わりのカップを各自頂き談話室に向かう。ちなみに、このカップを持っていれば、食堂のコーヒーやお茶お湯は飲み放題だ。

 強風の中ようやく展望荘に辿り着いたわけだが、明日は縦走の予定をどうするか談話室のこたつに入って酒を酌み交わしながら相談する。外は相変わらず風が強い。建物がミシミシと歪む。正直言って、いつ倒壊するかと不安だった。明日の天気は雨のち晴、但し風強い。結論が出ないまま夕食となる。

 さて、赤岳展望荘の食事はバイキング式だ。ずらりと並んだトレイから好きなものを好きなだけとって食べることが出来る。もちろんおかわりも自由。お茶もお湯もコーヒーも飲み放題。皆、腹十二分目くらい食べて満腹。コーヒーをもらって再び談話室で相談するが、腹が足れば眠くなる。明日は明日の風が吹くということで、結論を明日に延ばして就寝。



 翌朝。霧は出ているが雨は止んだ。ただ、相変わらず風は強い。今度は食べ過ぎない様に注意しながら朝食を済ませ、また相談。小屋主さんは、昨日風速29mの時に下ってきた人たちが今の風速19mの風を恐れるのはおかしいねなどと言いながらも、無理せず地蔵尾根から美濃戸に下った方が安全だとアドバイスする。確かに横岳で突風にやられたらと思うと不安が増す。一人ならともかく団体の場合は安全第一と考える。美濃戸へ下ると結論を出す。八ヶ岳山荘で風呂に入ると話していると、小屋主さんはわざわざ八ヶ岳山荘に電話をかけて便宜を払ってくれるように話してくれた。

 7時に山荘を出発。立ち止まるほどの突風も時折あったが、地蔵尾根にはいると急激に弱まった。行者小屋に着く頃には晴れ間も見えてくる。少し悔しい気もしたが、安全第一に無事下ってきたことでよしとする。また、尾根筋の流れる雲を見ながら、きっと尾根は強風だと強がりを言ってみたりもする。


霧の中、地蔵尾根分岐に到着



地蔵尾根を下る


美濃戸山荘から阿弥陀岳が見えた


すっかり空は晴れ、紅葉がまぶしい

 八ヶ岳山荘で入浴しビールを飲む。便宜を図っていただき感謝。美濃戸山荘前で電話を入れて来ていただいたタクシーに乗って小淵沢駅へ。駅前のそば屋でとろろそばを食し、特急あずさで無事帰り着くことが出来た。



 今回こそは歩き通せると思っていた南八ヶ岳だが、赤岳から硫黄岳を残してしまった。これは、皆に八ヶ岳のお花畑を見せてあげたいという神様の仕業だと思う。だから残したコースは7月第2週にあるくつもりだ。コマクサやウルップソウ、ヤツガタケキスミレなどが満開の中、楽しく歩けるのを楽しみにしている。