2007年4月22日 不老山 (単独)
スミレのグラデーション




谷峨駅07.43−07.56棚沢キャンプ場バス停08.00〜09.45番ヶ平〜10.10不老山10.17
〜10.58林道への分岐〜11.05田代幹線339鉄塔11.07〜11.43不老の仙人広場11.48
〜11.57林道出合〜12.21林道分岐〜12.50金時公園〜13.16駿河小山駅




 土曜日は良い天気だったが、妻が同窓会なので留守番。翌日の日曜日は午後から雨の予報だが、来月の丹沢自然観察会が私の担当なので、まだ途中までしか歩いていない不老山山麓の林道を歩いてみることにした。ただ林道を歩くのではつまらないので、不老山へ河内川沿いの山市場側から登ることにした。

 朝起きたらやはり曇り。丹沢方面は高度800mくらいの雲底。黒い雲が少しずつ増えているようだ。秒速15mを越えるような突風が時々吹き抜ける。出発時点で大雨だったら諦めようと思いながら電車に乗る。山市場へは新松田からバスに乗ってゆけばよいのだが、バス代が高い。そこで、途中の谷峨駅まで御殿場線で行きそこから乗ることにした。バス代700円かかるところが、電車190円バス代280円、計470円で220円節約。谷峨駅のバス停で待っている間に霧雨が少し降ってきた。谷峨駅前の観光案内では山市場でバスを降りることになっているが、実際は棚沢キャンプ場前バス停で降りた方が近い。

 バス停から河内川の堤防まで降り、少し川下に行くと吊り橋がある。定員6名。「揺らすな走るな」の看板がある。横に角材を渡した上に板を敷いてあるだけの床は下がスケスケで結構怖い。歩くとかなり揺れる。そっと歩いても私の歩き方と周期が合うのかどんどん揺れが大きくなる。恐れをなして手摺代わりのワイヤーを掴んで川下を見ると、何ともっとずーっと立派な吊り橋が架かっているではないか。判っていればあちらの橋を渡ったものを・・・

橋の手前で管理捕獲のステッカーを貼った猟師風の方に今日は作業しているのかを聞いたところ、やっていないとのこと。少し安心する。

揺れる吊り橋



川下には立派な吊り橋


 畑を抜けいよいよ山道にはいる。麓から途中の番ヶ平までほとんど暗い杉や檜の植林地だったが、時々日も射して汗ばんでくる。時折吹き抜ける強風がかえって涼しさを感じさせて心地よい。常緑樹の落葉の季節らしくいつもと違う落ち葉が降り積もっている。

 途中で杉林横の笹藪近くを歩いていると、突然ガサガサという音。びっくりして立ち止まると何やら黒っぽい物体がものすごい勢いで谷を下っていった。熊ではないと思うが怖くなり、手を叩いたり大きな声で歌ったりしながら進む。



常緑樹の落葉

 番ヶ平の位置だが、昭文社の地図では867mピークを巻いた後に峠となっている眺めの良い場所を指しているが、現地ではその先の林道との交差地点にその名を記してある。昭文社の示す場所の方がぴったりする気がする。その場所に立っている案内板が朽ちて読めなかったが、もしかしたら番ヶ平の名が書かれていたかも知れない。

番ヶ平?からの眺め


 林道を渡り再び暗い尾根道を歩く。時折霧が流れてきて視界がなくなる。足元には鹿と犬の足跡のみ。犬???なんだかいやな予感がする。そのうち、遠くで犬の吠声。と思ったらすぐ後方にハアハアという声と共に首にアンテナを立てた猟犬がいるではないか。驚いて逃げたりして刺激してはいけないと思いながら歩き続け、時折そっと後ろを見るとしっかり2m位後を付いてくる。

 今日は猟をやってないって言ってたじゃないかと心の中でぼやきながら後方を気にしつつ歩く。一旦停まってやり過ごそうとしたが、猟犬も立ち止まる。仕方ないので諦めてまた歩き始める。

 何分くらいそうして歩いていただろうか。遠くで他の犬の吠声が聞こえると、後方にいた猟犬は、何やら首をかしげて思案した後、道を逸れてヤブを下っていった。ほっとして改めて前を見たら、不老山山頂はすぐ目の前だった。


不老山山頂



不老山南峰


 不老山で小休止した後、生土方面に下る。今度は自転車のタイヤの跡。マウンテンバイクは音もさせずにいきなり急スピードで降りてくるので、後に注意しながら降りてゆく。林道への接続点の標識には、「この先重大道標あり」の記載。昨年不老山に行った際の記録
http://zap01.sakura.ne.jp/2006/field/20060514/
に書いた関係の話なんだろうなあとは思ったが、今日は例会の下見なので寄らずに林道に進む。


林道接続点の標識


 林道に出た後、一旦339号鉄塔まで下る。前回雨の中、昼食を摂って戻った地点だ。ここから再び登り返して今回予定しているルートを辿る。タチツボスミレがいっぱい。色の濃いものは何という名か。オトメスミレも見かけた。オトメスミレ近くのタチツボスミレは色が薄めに思えるのは気のせいだろうか。

 不老の仙人広場から林道に並行してハイキングコースが設定してあるようなのでそちらを歩いてみたが、植林帯を歩くので花に出会える訳ではない。再び林道を歩き、途中の分岐から金時公園裏への道を進む。昼食用のパンをかじりながら木製階段を下りると金時公園に到着。鯉のぼりが沢山泳いでいた。


      金時公園は鯉のぼりが泳いでいる



不老の仙人広場


 ここからは集落内を歩く。携帯で時刻表を調べると、あと1時間待ち時間がある。一応温泉に入る準備はしてきたが一人ではつまらないので、駅前の酒屋で発泡酒とピーナッツを買って駅の待合室で一人乾杯をしたのだった。

 結局、雨に降られることはなく下山することが出来た。山中で出会ったのは猟犬1匹と謎の動物1頭だった。あの天気予報では無理もないか。一応、コースも一通り下見が出来たし、有効に使えた日曜日であった。5月第2週までスミレたちが残っていてくれればいいのだが。

今日は温泉はお預け




ここから今回観察した花たち


濃い色のスミレ

段々薄くなり

更に薄くなり

オトメスミレは真っ白


これも濃い色です

ニガイチゴ


クサイチゴ


モミジイチゴ


ジロボウエンゴサク


ツルカノコソウ


ミヤマキケマン


鹿に皮をむかれた杉


ホソバテンナンショウ


ミミガタテンナンショウ


タラの芽が復活中


ウマノアシガタ


シャガ


タニギキョウ

ムカゴネコノメ


ユリワサビ


ミヤマハコベ


ヒメウズ